ネタバレなし 宮部みゆき 地下街の雨

宮部みゆき

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【宮部みゆき 地下街の雨 概要】

同僚との挙式が直前で破談になった麻子は、会社を辞め、喫茶店で働き始めた。

そこで麻子に声をかけてきた女性の真の目的とは・・・(表題作「地下街の雨」

他、ある男の主張に追われるデカ長を描いた「ムクロバラ」

家の中から音が消えてしまった一家の前に現れたのは、自身を銀河系の研究者と名乗る男だった「さよなら、キリハラさん」

等を含む、全部で7編からなる短編集。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇宮部みゆきさんを堪能

全部で7編の短編は、すべて宮部みゆきさんらしさが溢れていて読み応え抜群。

心にしんみり来るお話、温かいお話もありますが、全体的には「日常に潜む怖さ」を感じたことが印象に残りました。

20ページ程度の短編から70ページ程度のものまで、様々。

ということで、今回はひとつひとつの短編について個人的五つ星評価と共に書いていきますね。

〇地下街の雨 ★★★★★

表題作。

その結婚が破談になってしまったのは、あろうことか式を2週間前に控えた時でした。

夫となる人、結婚生活、仕事。

すべてをなくした麻子は、町中でとある知人を見かけます。

そしてその知人との出会い、物語が語られていくのですが・・・

知人のキャラクターの濃さ、真実。すべてが面白くて!

また、タイトルの意味がわかった時には

うわ~わかるわぁそれ!

と、痛みを伴いながらも、妙に共感ができてしまいました。

宮部みゆきさん、上手いです!

〇決して見えない ★★★★★

終電で帰ると、必ず駅でタクシーを待たなければいけない。

歩いて帰るには遠く、でもタクシーもなかなか来ない場所。

その夜も三宅はそこでタクシーを待っていました。

その模写はなんとも不気味で冷やっこくて、引き込まれます。

そんな三宅の後ろに、この日は人が並びました。

その年配の男性と三宅は初対面にもかかわらず話に花を咲かせるのですが・・・

ラストがなんとも言えずひんやりとしました。

〇不文律 ★★★★★

とある一家が車ごと海に突っ込み、亡くなりました。

無理心中だと思われたその事件は、全編その家族の周りの人々の証言によって語られていきます。

世の中・人の噂・人の話すこと。

これにはリアルな怖さがあって、他人事とは思えませんでした。

〇混線 ★★★☆☆

いたずら電話に悩まされる女性のお話。

話の意外性もさることながら、終盤は怖すぎました・・・

宮部みゆきさん、表現が上手すぎるんです。

〇勝ち逃げ ★★★★☆

堅物だと思われていた伯母が亡くなりました。

親族はそれぞれ、悼んだり、また辛辣な言葉を吐いたりするのですが

姪の浩美は、誰も知らなかったそんな伯母の人生の真実に気付きます。

煩わしいことも多いけど、親族っていいなぁと思ったお話でした。

〇ムクロバラ ★★★★☆

何度も何度も警察に来ては、現実に起こった殺人事件を刺し

またムクロバラがやりました

デカ長に訴える男性

がそう主張する事件には、ある共通点がありました。

人の心、「普通」って何なのかと考えさせられます。

すごく怖い。

〇さよなら、キリハラさん ★★★★★

ある日突然、家の中で耳が聞こえなくなった一家。

それには想像もしがたい「あるからくり」があったのですが・・・

コメディータッチかと思いきや、ほんのり温かくさせてくれるお話でした。

この読後感、このお話がラストで良かったです。

【個人的 五つ星評価】

「怖さ」が印象に残る度 MAX

1編1編ワクワクする度  ★★★★★

宮部みゆきさんらしさ度 MAX

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感想(37件)

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