はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【宮部みゆき とり残されて 概要】
勤め先の小学校で、「あそぼ」と囁く子供の幻に出会った主人公。
その子供に誘われるまま向かった校内のプールには、女性の死体があった(表題作「とり残されて」)。
等々・・・
死に触れた短編・7編からなる短編集。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇「死」にまつわる短編集。
すべての短編が、いろいろな意味で「死」に触れています。
その内容は、ファンタジー要素のあるものから、本当に背筋がゾッとするもの、少しコミカルなものまで様々。
とても多彩な短編集です。
ということで今回は、ひとつひとつの短編について個人的五つ星評価と共に書いていきますね。
〇とり残されて ★★★☆☆
主人公は勤め先の小学校で子供の幻に出会い、校内で女性の死体を見つけてしまいます。
子供の正体と、意外な殺人犯の正体とは。
私は夜中にひとりで読んでしまったのですが、これはめちゃくちゃ怖かった・・・。
〇おたすけぶち ★★★★★
主人公の兄が交通事故で亡くなった場所。
そこは、地元では「おたすけぶち」と呼ばれていました。
その呼称の意味がわかるラストはゾッとします。
〇私の死んだ後に ★★★☆☆
街中で刺された男は、生と死の真ん中に存在し、浮遊体となってしまいます。
死に瀕したからこそ、向き合える真実。
ファンタジー要素の強いお話でした。
〇居合わせた男 ★★★★☆
主人公は、旅先で出会った女性ふたりから話を持ち掛けられ、彼女らの話に聞き入ってしまいました。
彼女たちの職場ではつい先日自殺者が出ていたというのです。
話の内容から「あること」に気付いてしまった主人公。
そのせいで思いもよらない事態を引き寄せてしまったこと、またその真相にゾッとしました。
〇囁く ★★★★★
このお話は20ページ弱。
本書の中では群を抜いて短く、またテンポも良く読みやすかったです。
主人公は、カフェで友人から不思議な話を聞きました。
友人の職場には「お金が話しかけてくる」と訴えていた職員がいたと。
そこに、偶然その話を聞いていたという男が話しかけて来ました。
これ、怖かった・・・・
〇いつも二人で ★★★★☆
こちらもファンタジー要素の強い作品。
ある日突然、目の前に見知らぬ女性が現れました。
その女性は自分を幽霊だと言い、彼の体をしばらく貸してほしいというのですが・・・
女性の目的と、意外で恐ろしい結末が良かったです。
〇たった一人 ★★★★★
こちらは本書で一番長く、100ページ近くありました。
梨恵子は「繰り返し夢に見る場所を見つけてほしい」と探偵事務所を訪れるのですが、話は意外な方向に走り出していきます。
その意外性もさることながら、梨恵子の心の葛藤と、最後が素晴らしかった。
本書のラストを飾るにふさわしい、読み応えのあるお話です。
【個人的 五つ星評価】
お話の多彩度 ★★★★★
夜中に読んだら怖かった度 MAX
最後に感動してしまう度 MAX
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