はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 素敵な日本人 概要】
ひとり娘の結婚を案じる父に、娘は大丈夫だという。
その理由は、亡き母が残した雛人形の秘密だった(「今夜は一人で雛祭り」)。
独身女性のエリーは疑似子育て体験用の赤ちゃんロボットを借りたのだが・・・(「レンタルベビー」)。
なんとも美しい青色の猫。その世にも珍しい姿に、多くの人間が繁殖を目論む(「サファイアの奇跡」)。
全部で9編からなる短編集。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇読みやすい短編。
全部で9編からなる短編集は、日本の四季折々の行事を題材にした4編と、ミステリー5編で構成されています。
それぞれ30ページから40ページ前後。
東野圭吾さんの文章はとても読みやすいのでサクサク進みます。
すべての短編において驚きの展開が用意されていますが、私は特に、最初の「正月の決意」と最後の「水晶の数珠」が好きでした。
ということで、今回はひとつひとつの短編について個人的五つ星評価と共に書いていきますね。
〇正月の決意 ★★★★★
元日の早朝に初詣に向かった夫婦は、そこである事件に巻き込まれてしまいます。
同じ東野圭吾さんの「笑小説シリーズ」のようなブラックコメディーかと思いきや、結末は予想外でした。
何が人に温かさを感じさせるのかは、本当にわからないものです。
〇十年目のバレンタインデー ★★★☆☆
十年前一方的に別れを告げ去って行った彼女から連絡があり、ふたりはバレンタインデー当日に食事をすることになりました。
果たして彼女の目的とは。
比較的意外性は少なめ。
とても簡潔で面白かったです。
〇今夜は一人で雛祭り ★★★★☆
亡き妻に重ね合わせ、ひとり娘の結婚を案じる父。
ですが、娘は大丈夫だと笑顔を見せます。
その理由の秘密は、亡き母と雛人形。
私にも娘がいるので他人事とは思えず、いつか送り出すことを想像せずにはいられませんでした。
想像だけで嬉しいけど寂しい。
〇君の瞳に乾杯 ★★★★☆
なんちゅうタイトル・・・!汗
というのが第一印象だった短編。
そのタイトルから、ベタベタな恋愛小説かと思いきや・・・
意外にも、切なくて面白いお話でした。
〇レンタルベビー ★★★★★
独身女性のエリーは、疑似子育て体験用赤ちゃんロボットをレンタルしました。
思っていた以上に過酷な育児生活に疲弊していく一方で、心は変化していきます。
子供がまだ小さかった頃のことをたくさん思い出しながら読みました。
一番意外性があり、その意外性が一番面白かったお話です。
〇壊れた時計 ★★★☆☆
主人公は深く考えずに、とある犯罪に巻き込まれてしまうのですが・・・
余計なことに気を回してしまったばっかりに、我が身を窮地に陥れてしまいます。
ですが、そこからの行動もちょっと・・・
考えなしにも程があるんじゃないか
と思うくらいの有様です。
この後彼がどうしたのか、そこまで知りたかったです。
〇サファイアの奇跡 ★★★★☆
世にも珍しく美しい青色の猫。
人々はその繁殖を目論むのですが・・・
まさに「奇跡」という言葉がしっくりくる、とても素敵なお話でした。
〇クリスマスミステリ ★★★☆☆
芸能界で成功した男性は、その世界で権力を持つ年上の女性と別れたいと思っていました。
ですが彼の成功は彼女なくしてはあり得なかったこと。
ことはそううまくは進みません。
そこで彼が選んだ行動と、その結末とは。
物語が二転三転するのが面白かったです。
〇水晶の数珠 ★★★★★
父の反対を押し切り、勘当同然で夢を追うために単身アメリカに渡った主人公。
母と姉から、その父が余命いくばくもないことを知らされます。
大事なオーディションを前に、少々を無理をして父の誕生日に帰国するのですが
そこで父か取った不思議な行動。
その意味と、真実とは何だったのか。
一番心を掴まれ、涙が出たお話でした。
まさに『素敵な日本人』というタイトルの本書のラストを飾るのにふさわしい作品です。
【個人的 五つ星評価】
読みやすい度 MAX
さすが東野圭吾さん!度 MAX
多彩な作品たち度 MAX
価格:770円 |
新品価格 |
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