ネタバレなし 宮部みゆき 誰かSomebody(杉村三郎シリーズ)

宮部みゆき

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

スポンサーリンク

【宮部みゆき 誰かSomebody あらすじ】

今多コンツェルンの運転手・梶田信夫が自転車による事故で亡くなった。

同社の広報室に勤務している杉村三郎は、梶田の娘たちから「亡き父についての本を書きたい」との相談を受ける。

三郎は彼女たちの意思を汲み、共に梶田の人生を辿っていくのだが、

そこには意外な事実があった。

杉村三郎シリーズ第一弾。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇宮部みゆきさんの書くお話。

宮部みゆきさんの書く文章は、優しく諭すようで温かい。

特に本書は、年長者に優しく語りかけられているような気持ちになりながら、読み進めました。

自転車での事故。

これは他人事ではないですね。

自転車でも死亡につながる事故になり得るということは知ってはいましたが

人が亡くなるとはどういうことなのか

自転車事故とはどういう扱いになるのか

加害者側の気持ち

被害者遺族の気持ち

周囲の人々の気持ち

様々なことを考え、改めて怖いことなんだと感じました。

〇物語と杉村三郎の印象。

物語全体としては淡々と進んでいく印象ですが、杉村三郎の人柄がとても沁みます。

穏やかで、人の気持ちを思いやることができる一方で

厳しい面も持ち合わせている三郎

その三郎は、妻・菜穂子との結婚により多くのものを失い、また得ました。

三郎が失ったもの、得たもの、今の生活、感じていること。

すべてが興味深く、そして見守りたくなります。

若い頃に読んだ時は、そんな三郎に対する三郎の母親の言動にはピンと来ませんでした。

ですが息子が生まれた今、三郎の母の気持ちが痛いほどによくわかります。

〇終盤の展開。

淡々と進んでいるかに見えた本書。

ですがやはり宮部みゆきさん、ただでは終わらせてくれません。

終盤に向けて、怒涛の展開が待っているんです。

これには驚きと、「やっぱりそうだったのか」と思いながらも信じられない部分がありました。

さりげなく蒔かれた伏線はすべて回収され、ラストまで導かれます。

そしてここで出される三郎の母の言葉には、本当にしみじみと、ですが強く、納得させられました。

こんな展開に巻き込まれてもなお、三郎は人が良すぎるんじゃないか思うところもありますが

やはり三郎の気持ちに寄り添ってしまうんですね。

今現在、杉村三郎シリーズ

『名もなき毒』『ペテロの葬列』『希望荘』『昨日がなければ明日もない』

と続いていますので、引き続き読んでいきたいと思います。

【個人的 五つ星評価】

母の言葉が沁みる度 MAX

杉村三郎の魅力度  MAX

結末の衝撃度    MAX

誰か Somebody (文春文庫) [ 宮部 みゆき ]

価格:836円
(2022/6/7 17:27時点)
感想(56件)

誰か―Somebody (文春文庫)

新品価格
¥836から
(2022/6/21 19:45時点)

コメント

タイトルとURLをコピーしました