はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【柚木麻子 終点のあの子 概要】
プロテスタント系の女子高内部進学の希代子は、高校から入学してきた朱里に声をかけられ、次第に親しくなっていく。
風変わりな朱里と時間を共にすることで、希代子の中には様々な変化が見られていき・・・(フォーゲットミー・ノットブルー)
高校生という繊細な時期を描いた、4編から成る短編集。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇感じてしまうノスタルジー
本書は一番初めに読んだ柚木麻子さん作品。
何度読んでも面白いと感じる短編集です。
舞台はお嬢様校と呼ばれる女子高。
その中での、女の子たちの人間関係や、微妙に揺れ動く心情などが描かれているんですね。
私は女子高ではなかったけれど、それでも、高校生当時のことが鮮明に思い出された作品でした。
教室がとても暑かった夏とか(当時はエアコンなんてありませんでした)、
時折風で膨らむカーテンとか、
プールの塩素のにおいとか、
湿った学校のプールの更衣室とか、
そして
この年代特有の、独特の空気感とか、
どこかのグループに属していないと不安になってしまう、あの頃の感情とか。
そんな記憶がたくさん蘇ってきました。
「みんなと一緒、普通が安心」なんだけれど、
「自分は違う」と思いたい部分もあって。
また少しのタイミングのズレや言葉の足らなさで、不用意に傷付けてしまうこともあったり。
読んでいて痛々しくていたたまれない部分もあったりして、
ありきたりな言い方かもしれませんが、ものすごく甘酸っぱさを感じます。
読んでいて
あ・・・この子苦手・・・
と感じるところもあるので、笑
それも含めて懐かしくてほろ苦いです。
〇短編ごとに変わる主人公。
本書は短編ごとにその主人公が変わります。
登場人物は他の短編とも重複していたりもするので、
この子から見ればあの子はこう見えているのか
あの時はこんな思いでその行動をとったのか
等々・・・
と様々なことがわかってくるので、それもまた面白いポイントのひとつ。
この頃の感情と、その繊細な思いが絡み合っていく様をとてもうまく表現されているので、心に迫ってくるものがあるのかなと感じます。
特に今の時期、夏におすすめの短編集です。
〇各話について
全部で4編からなる短編集。
中でも特に好きなのは、ひと夏の葛藤と成長を描いた「甘夏」と、
美人でクラスの中心人物である女の子と、クラスでは地味な女の子、2人の友情を描いた「ふたりでいるのに無言で読書」でした。
各章の私的評価は以下の通りです。
フォーゲットミー・ノットブルー ★★★★☆
甘夏 ★★★★★
ふたりでいるのに無言で読書 ★★★★★
オイスターベイビー ★★★☆☆
【個人的 五つ星評価】
当時のことが思い出される度 MAX
甘酸っぱい度 MAX
特に夏におすすめ度 MAX
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