ネタバレなし 柚木麻子 本屋さんのダイアナ

柚木麻子

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【柚木麻子 本屋さんのダイアナ あらすじ】

私の名前はダイアナ大穴と書く。

このおかしな名前も、母に染められた金髪も、みんな大嫌いだ。

なのに、小学三年生で出会った彩子は私のすべてを褒めてくれた。

正反対な二人の共通点は、

本が大好きなこと

いつまでも親友でいよう。いられるはずだと信じていたのに・・・

ダイアナ彩子、二人の十余年の物語。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇柚木麻子さんが書く女のコ

少し前に同じ柚木麻子さん『終点のあの子』のブログも書いたのですが

私は柚木麻子さんが書く女のコ、その女のコが不器用に紡ぐ友情や絆が好きなんだと思います。

それがどんな色であっても。

私は男性についてはよくわかりませんが、女性の友情って

置かれている状況や環境でものすごく変化するものだと思っています。

物理的距離がそのまま二人の距離になってしまったり

お互いの立場や属性が違ってしまえば自然と疎遠になることもあります。

かと思えば、ふとまた心が通い合うこともあったりして。

「共感」してほしいんだけど、相手と自分は別々の人間だから

たとえお互いに思い合っていたとしてもそれがうまく伝わるとは限らないし。

こじれてしまうと同性同士は仲直りも難しかったりもします。

柚木麻子さんの書く女のコたちからはその辺の切なさがものすごく伝わってくるんです。

女のコ特有のキラキラした世界の中に、まるで柑橘類の皮をかじったような苦みが含まれているこの世界観が

私は好きなんだと思います。

〇ダイアナと彩子と、『秘密の森のダイアナ』

お話はダイアナの視点、彩子の視点で交互に書かれてあり、

そのどちらにも共感できる部分が少しずつあるんですね。

昔同じような気持ちになったことがあるような・・・、不思議とそんな気持ちになるんです。

そして本書で何度も出てくる、重要なアイテムとなっているのが『秘密の森のダイアナ』という書籍です。

この『秘密の森のダイアナ』には、この年になった私にも響くものがあり心を打たれました。

いくつになっても、

ここがこうであれば、なければ

これさえあれば、なければ

こうなりさえすればもっと良くなるはずなのに!

こんな思いって、誰にでもあるものだと思います。

でもそれって本当にそうなのかなと考えさせられました。

もちろん、そう思うことが前向きなチカラになるのなら素晴らしいことだと思うんですが

それを言い訳にしてしまったり、卑屈になってしまったり、人にイライラしてしまったり・・・

そんな風にならないようにと。

今の自分にできることはきっとあるはずで

それを決めるのは自分。

これって実はものすごいことなんではないかと気付かせてもらえました。

ラストには涙が出ますが、本当に何度も勇気づけられるお話です。

【個人的 五つ星評価】

昔の自分を思い出す度      MAX

キラキラした中に苦みを感じる度 MAX

勇気づけられる度        MAX

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感想(2件)

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