はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
山本文緒 ファースト・プライオリティー 概要
全部で31編からなる短編集です。
主人公はみんな31歳。
それぞれの最優先・ファーストプライオリティーとは…
すべて10ページ弱の超短編なのでとても読みやすく、こんな短い中にもしっかりと作られた世界観はさすがとしか言いようがありません。
ネタバレなし 感想と考察
〇31人の主人公
物語は31編。
そして主人公は31人。
当たり前ですが、大切なもの・最優先って、人によってそれぞれ全然違います。
自分の可能性に気付く主人公は応援したくなり、
主人公の最優先を無下に扱う者には苛立ったり、
誰にも振り回されず、飄々と生きている主人公が羨ましかったり、
大人って求められるものが多すぎませんか??と思ったり、
人の意外な一面ってなかなかわからないものだよねと思ったり、
ここまで共感できない主人公も珍しいなと感じたり…
とても楽しめる一冊です。
また、
人は生きてきた道全てから出来上がっていて、これからもその道は続いていくんだな
と思わせてくれるお話もありました。
〇私にとって「大事」だと感じさせられたこと
人生においては「大好きなこと」も、「誰と出会うか」も大事。
そして自分自身はもっと大事。
それを一番に思いました。
そしてあるお話では
「あの時自分があんなことをしたからこうなった」なんて、思いすぎなくていいんじゃないか
「あの時こうしていれば、こうはならなかったはず」というのは、希望的観測に過ぎないのかもしれない
と気付かされました。
これ、結構思いがちですけどね…汗
でもそう考えると、少しラクになれるような気がしてきます。
〇山本文緒さんの文章・表現
いつも思うのですが、山本文緒さんの文章・表現って「らしさ」に溢れているんですよね。
山本文緒さんだから書けるもの。
なのに、
あーわかるわかる!!
と、読む人にとても刺さる。
お話の面白さもさることながら、私にとって山本文緒さんの最大の魅力はここです。
【総評】
ものすごく嫌な主人公もいればものすごく共感できる主人公もいて、読んでいてとても楽しかったです。
全部で31編もあるのに飽きさせない、ひとつひとつは数ページなのにそれぞれにしっかりとした世界観がありあっという間に引き込まれる。
中でも
『バンド』
『庭』
『ボランティア』
『カラオケ』
が、特にお気に入りです。
個人的 五つ星評価
読みやすさ ★★★★★
人生を考える度 ★★★★★
山本文緒さん「らしさ」度 ★★★★★
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新品価格 |
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