ネタバレなし 山本文緒 ブルーもしくはブルー

山本文緒

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【山本文緒 ブルーもしくはブルー あらすじ】

高収入の夫と都心のマンションで暮らす蒼子

一見何不自由のない暮らしをしているように見えるが、夫との関係は冷めきっており満たされない毎日を過ごしていた。

そんな中、蒼子は旅行先で昔の恋人とともに歩いている自分と瓜二つの女性を見かけてしまう。

彼女の名前も「蒼子」だった。

驚くべきことに顔も名前も誕生日も、ある地点までの生い立ちも同じ2人の「蒼子」は、1カ月だけ入れ替わって生活してみようとするのだが・・・

【ネタバレなし 感想と考察】

もう20年以上前に初めて読んでから、何度も何度も読んできた本書。

初読から今までずっと、変わらず面白いと感じる小説です。

〇山本文緒さん「らしさ」

本書にはドッペルゲンガーが出てきます。

そしてサスペンス・ホラー・ファンタジー等の要素もあるので、リアルを書く山本文緒さんには珍しいなと感じました。

しかしそれでもやはり、人の心の動きや内面のドロッとした部分、嫌な部分も書いてくる

そして、日常の言葉にできないような感情も、うまく表現してくれる

山本文緒さん「らしさ」がそこかしこに溢れています。

〇もう一人の自分

幸いというかなんというか、

私には蒼子のように、人生において戻りたい過去ややり直したいポイントはありません。

ですが

もしどこかでもう一人の自分がいて

その「自分が選ばなかった人生」を選び幸せそうにしていたら・・・

そしてそれを知ってしまったとしたら・・・

きっと平静ではいられないだろうなということは容易に想像がつきます。

相手は他人ではなく自分自身ですから、その思いは計り知れないのではないかと思うと怖くなりますね。

私なら絶対、こんなこと知りたくはないです。

〇物語の展開

物語はどんどん予想外の方向へ転がっていきます。

テンポもいいのでワクワクしますし、いろんな感情が次々に沸き起こります。

もう一人の自分に対峙して

嬉しさ、親近感、羨ましさ、腹立たしさ、憎しみ・・・

様々な思いを感じる蒼子ですが、結局「相手は自分自身。

良くも悪くも現実を突きつけられる辛さ。

これ、自分なら直視できますかね・・・

想像しただけでゾッとします。

〇タイトルの意味

ブルーもしくはブルー

このタイトルの意味。

「隣の芝生は青く見える」から来ているのかなと思っていたのですが

結局は自分自身だよ

自分の人生は自分で生きていくしかないんだよ

と教えてくれているような気もします。

にしても、「蒼子」という名前。

ずっと思っていたのですが、響きも字面もものすごく素敵な名前です。

【個人的 五つ星評価】

山本文緒さん「らしさ」度   MAX

ハラハラドキドキ、ワクワク度 MAX

自分の人生を考える度     ★★★★★

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