はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
湊かなえ 少女 あらすじ
「親友の自殺を目撃したことがある」という友人の告白を聞き、自分は人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った由紀。
死体を見れば死を悟ることができるのではないかと思う、自殺を考えたことのある敦子。
二人はそれぞれ、死の瞬間に立ち会うため、小児科病棟と老人ホームにボランティアに行きます。
そんな女子高生二人の夏休みを描いた物語です
ネタバレなし 感想と考察
湊かなえさんの書く一人称の文章は、私の中では
「読みやすい作品」
「読みにくい作品」
がはっきり分かれますが、本書は読みやすい作品でした。
本書を読むのは二回目です。
最初に読んだのは十年程前でした。
私は気に入った作品は何度も何度も繰り返し読むタイプなのですが…
なぜこの「少女」はそうではなかったかというと、
当時は同じ湊かなえさんの「告白」を読んだ直後であり、
その興奮のまま読んだからか
「思った程じゃなかったな」
と物足りなさを感じただけで終わってしまったんですね。
もう読むことはないだろうなぁ、とまで思っていました。
ですが!
こんなに面白かったなんて…汗
今回再読して本当に良かったと思います。
〇伏線の張り方、回収の仕方
全体的に一番感じたのは、数々の伏線の張り方、回収の仕方がお見事だということです。
予測出来るところも多々ありますが、一つ一つが見事に張り巡らされていて、ページが進むたびにすべてが一つになっていく様は読んでいてとても楽しかったです。
一つの視点だけでは、わからないことはたくさんある。
思いもかけないなにげない一言や、少しのテンポ・タイミングの違いで、物事や人の心が大きく動くこともある。
それは、良くも悪くも。
これは、湊かなえさんの作品を読むたびに強く思うことです。
大事なことに気付かせてくれますよね。
〇敦子と由紀、二人の少女
本書では、一人称で書かれているのが女子高生二人なので
「なぜそうなるの?」
「なぜその行動になるの?」
となるところも度々出てきました。
ですが、傷ついた心の中でどうしようもなく起こってしまった誤解や、思い込みや、嫉妬、寂しさ。
そんないろいろなものの中で、それぞれが小児科病棟・老人ホームで人々と出会い、様々な経験を経て成長します。
中にはとんでもない大人も出てきたり、起きる事柄に至ってはヘビーなことの連続であるにもかかわらず、その中で成長して行く二人の力強さには目を見張るものがありました。
特に、終盤に書かれていたある言葉は、なんだか心に沁みていくようで…
私はいい年の大人ですが笑
それでも、
大人になっても、いくつになっても、そういうことはあるよね。
と考えさせられ、それが心地よくもありました。
【おすすめポイント・総評】
全体としては高評価です。
特に終章での最後の最後の回収は本当にお見事でした。
これで全部繋がった!と。
後味はついては賛否別れるかもしれませんが、
さすがの湊かなえさんだな
と、私は最後まで楽しく読めました。
イヤミスの女王と言われる湊かなえさん。
本書はその湊かなえさんの作品の中では、比較的イヤミス度の高い作品かなと、個人的には思っています。
なんといってもいちばんのおすすめポイントは、前述の通り
伏線の張り方、回収の仕方
です。
物語のピースがどんどんハマって繋がっていく。
そんなお話がお好きな方はぜひ。
個人的 五つ星評価
湊かなえさん作品の中でのイヤミス度 ★★★★☆
伏線の回収が見事度 ★★★★★
価格:680円 |
新品価格 |
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