はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【湊かなえ サファイア 概要】
表題作以外にも「真珠」「ルビー」「ダイヤモンド」など、それぞれ宝石の名前をタイトルにした短編集。
人間の出会いと別れ、様々な関係や感情を、時には毒を含ませながらも描いた、7編のお話。
【ネタバレなし 感想と考察】
以前にも書いたのですが、湊かなえさんの書く一人称の文章は、私の中では
「読みやすい作品」
「読みにくい作品」
がはっきり分かれます。
本書は前者で、とても読みやすい作品でした。
全部で7編からなる短編集ですが、最後の二作「サファイア」「ガーネット」だけが連作になっていて、他はそれぞれ独立したお話になっています。
7編すべてが40ページ強程度と短く、テンポがいいのも読みやすいポイントだと思います。
今回はひとつひとつの短編について、個人的五つ星評価とともに書いていきますね。
〇真珠 ★★★☆☆
まず、登場人物の関係性・設定がよくわからないまま進むのですが、そんなことなど関係なしに、最初から引き込まれます。
とあるワードがくどいくらいに出てきてちょっと辟易しますが・・・笑
どんどん読ませて、最後には「うわぁぁ」と思わせ、また次の短編へと引き込んでくれるので
最初を飾るのにふさわしいお話だと思いました。
〇ルビー ★★★★★
主人公の実家のすぐそばに建った老人保健施設。
主人公を含め実家の家族はその入居者の一人と交流することになるのですが、この交流は心温まるものであり、また、ただそれだけのものではありませんでした。
これは驚きの展開です。
はじめ、「ある事柄」についてなぜこんな風に表現しているのか、なぜこんな風に書かれているのか
ということが疑問だったのですが
終盤にその謎も解けました。
〇ダイヤモンド ★★★★★
主人公には、結婚を約束した彼女がいました。
しかし彼女には夢があり・・・
序盤で少ーしだけ展開が想像できるのですが、それをはるかに超えてきたお話です。
湊かなえさんは容赦がないですね。
ファンタジー要素もありながら、一方で現実を突きつけてくるお話。
終わり方も予想外でした。
とても面白いです。
〇猫目石 ★★★★☆
お隣の猫が行方不明になり、一緒に探すことになった主人公一家。
その日を境に、家族内にいろんなことが起こり始めます。
はじめから違和感があったお話ですが、このお話は怖かったです。
とにかく、私にとってはある登場人物が取る行動が最初から最後まで理解不能だったんですね。
やっぱり一番怖いのは人間なのかな
と考えてしまったお話です。
〇ムーンストーン ★★★★★
このお話が一番好きでした!
目を背けたくなるような現実も書きながら、温かさを感じさせてくれるお話です。
その方向に行くのかー!
と、展開はとても意外でした。
キラキラしたものを感じ、すごく尊いものを見せてもらったような
素敵な読後感です。
〇サファイア ★★★★☆
自分の家が経済的に豊かではなかったこと。
母親が、人から物をもらうことをひどく嫌っていたこと。
その影響なのか、主人公は人にものをねだることができません。
そんな彼女が恋人に対してとった行動・その後に起こった事柄とは・・・
これは胸がキュッとなるお話でした。
ここで終わるのか
と、湊かなえさん節を存分に味わったのですが
このお話は最後の「ガーネット」と連作になっていました。
〇ガーネット ★★★★★
このお話を読み始めて、途中までは
「サファイア」だけで良かったのではないか
と思いながら読み進めていたのですが
こんな終わり方が待っているなんて・・・!
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが
「ガーネット」は、この短編集の最後を飾るのにふさわしいお話でした。
【個人的 五つ星評価】
湊かなえさん作品の中でのイヤミス度 ★★★☆☆
読みやすさ度 ★★★★★
いろいろな感情が楽しめる度 ★★★★★
価格:693円 |
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