はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
湊かなえ Nのために あらすじ
超高層マンションの一室で、住人である野口夫妻の変死体が発見された。
現場に居合わせた4人の男女の証言により、真実が明らかになっていくのだが・・・
野口夫妻はなぜ、どのようにして亡くなったのか。
そして、それぞれが守ろうとしたNとはいったい誰のことなのか。
ネタバレなし 感想と考察
〇それぞれのNの思い
主な登場人物は、亡くなった野口夫妻、現場に居合わせた4人。
6人のNです。
それぞれが大切なNのために何をしたのか。
第一章からすぐに引き込まれます。
そして語り手は章が変わる度に変わるので、章ごとに事件に対する視点が違います。
それによって新しい事実がわかったり、
このNにとっては真実はこうなのか
と思わされたりするんですね。
経験した事柄や見たものが同じでも、誰もが同じ受け取り方をするわけではないし
立ち位置が変われば守りたいものも真実も変わる。
この辺が湊かなえさんらしいなぁと、今湊かなえさんの作品を読んでるなぁと、強く感じるところでした。
そして、だからこそ登場人物の印象も、章によって変わったりするんですね。
ある章ではとても柔らかな印象だった人物が、またある章で、別の人物の視点から語られる際にはまったく別の顔を持っていたり。
『人の本当の姿』なんて、現実世界でもよくわからないものなのかな
と考えさせられました。
本書のタイトル通り、それぞれがそれぞれの大切な『Nのために』何をしたのか、というところが、読んでいて本当に面白かったです。
〇私の中での疑問点
ですが、少し疑問な点もありました。
説明で簡単に終わらせてしまう部分が数か所あったり、「ある事件」の犯人・真実はわからなかったり、
あんなに思っていたはずの、「ある人物」の扱いが
「え?雑じゃない?」
と思ったり。
これは私の勝手な感想ですが、少し残念に思ってしまう部分もあったんですね。
また、「あるN」が語り手である章は、読んでいてとても辛かったです。
この部分は本書にとってとても重要で、なくてはならない部分なんですが
その「あるN」が事件に対し取った行動を私は理解できなかったし、登場人物に関しても、共感できる人物はほとんどいませんでした。
それでも、最後までぐいぐい読ませる力はさすが湊かなえさんだなと思います。
素晴らしかった映像化
本書は榮倉奈々さん主演でドラマ化されています。
本書に限らず、「リバース」「告白」「夜行観覧車」なども観ましたが、湊かなえさんの作品は映像化に向いているなと思います。
この「Nのために」もとても面白く、毎週楽しみにしていたドラマです。
その他、賀来賢人さん、小出恵介さん、小西真奈美さん、チュートリアル徳井義実さんも出演されていました。
中でも一番印象に残っていて忘れられないのは窪田正孝さんです。
窪田さんの切なくてまっすぐな演技には心を持って行かれました。
こちらもまた、おすすめです。
個人的 五つ星評価
読むのを止められない度 ★★★★★
『人』について考える度 ★★★★★
映像化おすすめ度 ★★★★★
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