はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【湊かなえ 花の鎖 あらすじ】
両親を亡くし仕事も失い、祖母が癌で入院した梨花。
結婚し、新しい土地で生活を始めた美雪。
絵の講師をしながら和菓子屋でバイトをしている紗月。
3人の人生を繋ぐ、衝撃の事実。
そして謎の男性「K」とはいったい誰なのか。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇3人の女性、梨花・美雪・紗月
メインの登場人物は、梨花・美雪・紗月。
それぞれの章が3つに分かれていて、この3人の視点で描かれていきます。
これが、読み進めるのに時間がかかりました・・・
これは誰の話やったっけ??
紗月の相関図ってどんなんやったっけ??
などと、一旦考えることが多かったです。
そして登場人物も多いので、『祖母』『父』と表されても
・・・それって結局誰やったっけ??汗
と考えたり・・・
相関図を思い浮かべるのにもひと手間必要だった印象です。
〇物語の仕掛け
物語には仕掛けがあり、3人のお話は繋がっていくのですが
これはお見事でした!
これがわかってから再読すると、もうそこかしこに伏線がちりばめられているので・・・!
個人的には少なくとも2回は読んでほしい作品です。
〇素敵な世界観
本書は「イヤミスの女王」と言われる湊かなえさん作品の中では、比較的さわやかな作品です。
『告白』や『夜行観覧車』等とはテイストが違い、基本的には穏やかな空気の中物語が進みます。
その世界観に一役買っているのが、町にある生花店と和菓子屋さんです。
この存在が暖かな空気を醸し出しているように思うんですね。
私は3人の中では美雪の視点が一番好きで、そのターンは読んでいて一番夢中になれました。
穏やかな愛情・儚さ・柔らかさが溢れている美雪の視点。
そこには人と人の心が描かれているようで、何度読んでも一番心が動きます。
〇「K」とはいったい誰なのか。
そして、肝心の「K」とは誰なのか。
これには
なるほど~!
という感じでした。
ですが私にとって本書は結末そのものよりも、そこに至るまでの経緯や人の思いの方が読み応えがあり、より心に残るものでした。
とは言え、本書にもやはり身勝手な人間は出てきます。
これがまた本当に嫌な奴だったり、変にリアルだったりするんですね。
この辺は他の作品と同様、湊かなえさんの上手いところだなぁと思いました。
【個人的 五つ星評価】
湊かなえさん作品の中でのイヤミス度 ★★☆☆☆
人の思いに心が打たれる度 ★★★★★
世界観が素敵度 ★★★★★
価格:737円 |
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