はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【角田光代 愛がなんだ あらすじ】
OLのテルコは、マモちゃんに出会い恋に落ちた。
彼からの電話を待ち、電話があれば仕事中であろうがお構いなしに長話をし、食事に誘われれば退社する。
「最優先は常にマモちゃん」であるテルコは、その行動のせいで仕事もクビになる寸前なのだが・・・
マモちゃんはテルコのことを好きではない。
叶わないその思いに、テルコの行動はだんだんエスカレートしていく。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇共感はできない。
テルコをはじめ、本書の登場人物はみんなどこか極端でズレているように見え、誰にも共感できませんでした。
テルコの行動にいたっては、
もうやめときってそんな男。
とか、
こんな生き方でどうするん。
とか、
正直イライラするところも多々あったのですが、読むのを止められませんでした。
それが本当に不思議。
共感はできないけど、まったくの他人事とは思えないからなのか
登場人物たちの言動には、うっすらわかるような部分もあったりするわけです。
この辺が、角田光代さんのすごくうまいところだと思います。
〇悪い男ではない。と思うけど。
テルコの思いを知ってか知らずか、マモちゃんは彼女を振り回すのですが
でもそれはテルコが勝手に振り回されに行っているだけのようにも見えて、痛々しい。
自分の気持ちが大きくなりすぎて、相手とのバランスが取れなくなって、心に余裕がなくなって・・・
となった場合、後で振り返ると
恥ずかしい。消したい。
と思わずにはいられない行動を取ってしまうことって、誰にでもあるかと思うんです。
でも、テルコの執着は行き過ぎ。
これがもうものすごいんですね。
だけどマモちゃんはきっと「悪い男」ではなく、刹那的でテキトーなだけ(これでも十分嫌ですが・・・汗)。
これがまた腹が立つ。
そして
どこがいいんやこんな男
と思う。の繰り返しです。笑
と、ここまで言いたい放題書いている私ですが・・・
テルコがマモちゃんに言われた辛辣なセリフ。
これに似たようなことを、むかーーし誰かに言われたことがあるような記憶が脳裏をかすめて、いたたまれなくなってしまうのでした・・・。
なんか、いろいろ怖いです。
〇刺さるセリフたちと驚愕のラスト。
ということもあって、共感はできない登場人物たちのセリフの中にも
刺さるセリフ
が少なからず出てきます。
脳裏をかすめた苦い記憶(←笑ってしまう)もそうですが、もう少し若い頃に読んでいたら、また感想は違ったんだろうなぁぁぁと思ったりもして。
そして何と言ってもラストが驚愕。
そう来るんや・・・
と、ここにはものすごい恐怖を感じました。
これ、男女逆だったらもっとすごいことになるんじゃないだろうか・・・
【個人的 五つ星評価】
誰にも共感できない度 MAX
なのに昔の記憶がよみがえる度 MAX
驚愕で恐怖度 MAX
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