はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【今村夏子 むらさきのスカートの女 あらすじ】
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれている女性が気になって仕方がない。
〈私〉は彼女と友達になるため、自分と同じ職場で働きだすように誘導するのだが・・・
【ネタバレなし 感想と考察】
〇むらさきのスカートの女とは
本書は私にとって初めての今村夏子さん作品です。
さて、むらさきのスカートの女とはいったい何者なのか。
序盤は唯一無二の存在に引き込まれていき、不気味さ、怖さ等々を感じます。
主人公・〈私〉目線でのみ語られていくので、
真実、事実は何なのか
と疑問に思いながら読み進めていくのがなんともワクワクしました。
正直最初は読みにくさも感じてしまいましたが、ひとつ展開が進むともうそこからはサックサク読めて止まらない。
帯の謳い文句通り
何も起こらないのに面白い
でも、止まらないんですよね。
〇〈私〉目線で語られていくお話
でも、序盤で語られていたことが
あれ?え?
という違和感に包まれてしまう箇所があったりして
そこからは不気味さと怖さの角度がグリッと変わってしまうような感覚。
そもそも〈私〉がここまでむらさきのスカートの女に執着する理由は何なのか
とか
どうやってここまでやってるん
とか
疑問はいくつも出てくるし
本名がしっかり記載されているにも関わらず、〈私〉目線ではずっと「むらさきのスカートの女」と表記されていることも、不気味すぎてちょっとじわじわ来る。
そしてそんな中にも人間のずるさとか内面の嫌なところ等が書かれていて、身につまされました。
でも最後まできっちり〈私〉目線でのみ語られていく本書です。
不気味やわ・・・
〇結果今村夏子さんにハマる
正直、最後まで読んでもはっきりとは意味がわからなくて。
というか、自分なりの解釈はあるんだけど、これで合ってるのか全然自信がないんです。汗
でも「オチがない」というレビューが割とあると聞いたんだけど、私はそうは思わなかったかな。
だからこそ、
読後はしばらく、むらさきのスカートの女と〈私〉のことが頭から離れなくていろいろ考えました。
不思議といろんな角度で考えました。
これが今村夏子さんの魅力の一つなんでしょうか。
文庫版に掲載されているエッセイも読みごたえがあって、それを読むとさらに世界にハマるんですよね。
なるほど。今村夏子さんご自身がこんな不思議な方なんやなぁって。
共感できる部分もありつつ、でもとにかく掴みどころがなくて
これで合ってる??んかなぁ・・・??
って、そんなに簡単にはわからせてはくれない雰囲気もあり
それが本書の読後感ともすごくよく似ていて。
結果ハマってるってことやん。笑
ということで、引き続き今村夏子さんの作品を楽しんでいきたいと思ったお話でした。
【個人的 五つ星評価】
何も起こらないのに面白い度 MAX
読了後も考えてしまう度 MAX
今村夏子さんにハマった度 MAX
価格:682円 |
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