ネタバレなし 五十嵐貴久 リフレイン(リカシリーズ)

五十嵐貴久

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【五十嵐貴久 リフレイン あらすじ】

生徒職員合わせて124名もの命が奪われた「青美看護学校火災事件」

その看護学校内外では、前年から生徒たちが亡くなる事件が続発していた。

轢死、刺殺、飛び降り・・・

そして、その周辺にはいつも「彼女」の影がちらついていて・・・。

まさに地獄絵図であった火災事件の、唯一の生存者が語った真実と、「雨宮リカ」の素顔とは。

看護学校時代のリカを描いた、リカシリーズ第六弾。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇出版順と時系列

今回はリカの看護学校時代のお話となっていて、時系列で言えば、第三弾『リバース』の後、第四弾『リハーサル』の前のお話です。

シリーズの出版順で言えば

『リカ』『リターン』『リバース』『リハーサル』『リメンバー』『リフレイン』『リセット』『リベンジ』

となっているのですが

時系列では

『リバース(リカの子供時代)』

『リセット』(リカの高校時代)

『リフレイン(リカの看護学校時代)』

『リハーサル(リカの看護師時代)』

『リカ』

『リターン(『リカ』の10年後)』

『リベンジ』(『リターン』の2年後)

『リメンバー(『リカ』の20年後)』

となるんですね。

わかってるんですが!!!

物語は、「青美看護学校火災事件」の後、きちんと取材した上に書かれた数々の記事や資料と共に進んでいくのでフィクションとは思えず

まるで現実世界の事件を追っているかのような感覚になりました。

それがさらに怖さを増すんですね。

リカは、父が医者だったというその環境もあってか、とても優秀な学生でした。

その優秀さは、本当にそんなことがあり得るのかと思えるほどです。

そしてリカがあの手この手で人の心を掌握していく様には

悪酔いというかリカ酔いというか・・・そんななんとも言えない気持ちになってしまいました。

この時リカはまだ十代ですからね。

誰でも、周りによく思われたいとか、自分を見てほしいという気持ちってあると思うんです。

思春期の頃ならなおさら。

なので、一部分だを取ると、そういうこともなくはないかなと思えたりもするんですよ。

ですがいかんせん、リカのやり方は常軌を逸しています。

いろんな意味でやりすぎ。

今回はあまりにも被害が甚大すぎたので

「その目的」のためにここまでのことができますか

こんなことが世の中に通用しますか

と、ちょっと引くというか・・・

一部冷めた目で見ている自分がいました。

今までは

自分は「こちら側」だと思っていても、そうではないのかもしれない。

ふとしたことで人の悪意に巻き込まれ、被害を受けてしまうかもしれないし

もしかしたら自分自身が「リカ」のように常軌を逸してしまうことも、絶対ない、ありえない、とは言い切れないかもしれない。

と思っていたし、このブログでもそう書いてきました。

そしてもちろん、本書以前のお話も被害は相当なもので、リカシリーズにおいてそのことに言及するのは今更感がすごいこともわかってるんです。

わかってるんですが!!!

それでも今回は、

なんで出会ってしまっただけでこんな目に合わなあかんの

と、初めて憤りのようなものを感じてしまいました。

〇最強で、最恐で・・・

でも、だからこそのリカなんですよねぇ・・・

吸引力がものすごい。

今回の「ある被害者」(私が思う一番の被害者)が受けなければならなかったのは、ある種の拷問のような人生でした。

こんな生き方、想像しただけで苦しくて、気が狂いそうになります。

でもそれは、これまでのシリーズの中でリカがしてきた(やらかしてきた?)行動とちゃんとリンクしていて

その事実にも背筋がパキッと凍るようでした。

なんなんもう・・・

最強で最恐で、最凶。

リカの本当の幸せ、求めてるものって何なんでしょうか。

自分の中で、ちゃんとゴールはあるのかな。

これは私の想像ですが、「それ」は現実世界では「絶対に」叶うわけもない願い・世界だと思うんですよね。

〇マヅルカはヤバい

作中でリカが繰り返し聞いている、マヅルカ。

私は本書で初めて知ったのですが・・・

YouTubeで聞いてみてゾッとしてしまいました・・・

リカの世界から入ったから余計にそう感じるのかもしれませんが、めっちゃ怖かったんです!焦

こんなに凄惨な事件が身近で起こり続けている環境でこの曲が流れ続けていたとしたらと思うと、

もう正気でいられる気がせーへん(白目)。

五十嵐貴久さんはマヅルカを聞きながら本書を読むことを推奨されていましたが、

無理無理無理!絶対無理です怖すぎる!!

とか言ってるのも楽しかったりする。笑

〇シリーズについて

冒頭でもお話した通り、リカシリーズは出版順と時系列が違います。

五十嵐貴久さん「まず出版順に読んで、次に時系列で読むと二度楽しめます」とおっしゃっているので

私も全部を読み終えたらそうしてみようと思っていますし、二度とは言わず、それ以上に楽しめそうだなとも思っているのですが

でも、読むにはまた心身共に体力がいりますね。汗

シリーズ次作、第七弾は『リセット』です。

【個人的 五つ星評価】

やりたい放題か度      MAX

ある点において背筋が凍る度 MAX

シリーズの中でのおすすめ度 ★★★★☆

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