ネタバレなし 藤崎翔 指名手配作家

藤崎翔

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【藤崎翔 指名手配作家 あらすじ】

口論の末、担当編集者を殺害してしまった売れない小説家・大菅賢

茨城県に逃亡し、潜伏先で自殺を決意するも・・・

桐畑直美と出会い、彼女の家に匿われることに。

二人は直美のゴーストライターとして小説家デビューすることを狙い意気投合。

波乱万丈の逃亡生活が始まった。

果たしての運命は・・・

【ネタバレなし 感想と考察】

〇藤崎翔さん二冊目

「逆転美人」に続き、二冊目の藤崎翔さん作品です。

今回も序盤のテンポがすごくよく、いきなり引き込まれました。

ですが・・・

その逃亡のごくごく初期には

あれ・・・私この先読み続けられるやろか・・・汗

と思ってしまうような模写もあり、少しうろたえてしまうというか、葛藤があったかな。

それでも、自死を決意した直美の出会いからはまた物語が大きく動いて、そこからはぐいぐい読めました。

〇桐畑直美という人物

直美を匿おうと思った動機。

ここは直美の心情を本当の意味でわかることは難しいですが、自分の中で想像できる範囲で最大限考えてみたら・・・

うん、その気持ちはなんとなくわかる気がする。

でも思うのとやってしまうのは別ですからね。

私には考えられない。絶対に無理やと思うし、おそらく直美だって「その動機」がなければこんなことするわけがないと思うんですが

を匿うという道を選んだ直美

このキャラクターは、後の諸々の思考・行動ともつながっていて、一貫性があるんですよね。

直美すごい。

ただただすごい。

でも私、ほんと言うとこの直美のキャラクターはちょっと苦手だったんですよね。汗

なんでやろう。

嫌いとかそんな強いネガティブな感情ではないけど、なんかちょっと苦手。笑

〇私が思う、藤崎翔さんの・・・

藤崎翔さんの文章はコミカルで読みやすい。

でも、そんな中にも社会問題等が盛り込まれていて、考えさせられるところもあり・・・深いですね。

逃亡犯だということはわかっているし、随所でそれを思い出しはするんだけど

途中からはもう直美の日常に入り込んでいました。

思えば「逆転美人」の時も、いつの間にかトリックの存在を忘れるくらい没頭していたんですよね。

「逆転美人」では主人公の手記。本書では直美の日常そのものが興味深くて面白くて。

そこに夢中になってしまうんです。

私にとっては本書が二冊目の藤崎翔さん作品ですが、

これが藤崎翔さんの大きな魅力のひとつなのかなぁ

と、思っているところです。

〇心に残る、終盤とラスト

ひとつ嘘をついてしまうと、それを隠すためにまた嘘が必要で

またそれを隠すために嘘が必要で

またそれを・・・

ってエンドレス。

これは世の中の常ですよね・・・考えただけでもしんど汗

読んでいく中で、幼少期に口酸っぱく「だから嘘はついたらアカン」と言われたこの話を思わず思い出してしまいました。

終盤にはもう

賢はどうなるんやろう。どうなってしまうんやろう。

と思いながら読み進めたのですが

なるほどそうなるかぁ!!

展開というか、流れには少しモヤモヤっとした気持ちもあった中、終盤「ある人物」が放った「ある言葉」には、ものすごーく納得ができて気持ち良かったです。

ここ、大事なとこやなぁ・・・

そしてエピローグには驚きです。

最後の最後にそう来ましたか・・・!

全編通して、あの部分がこう繋がってたんや!という発見も面白く、それがわかった時にはすごく嬉しい。

ですが。

最後の「この人物」のこれからの人生はどうなっていくのかな。

と、その後を少し想像せずにはいられませんでした。

【個人的 五つ星評価】

序盤の模写にちょっと戸惑う度       MAX

藤崎翔さんの大きな魅力のひとつに気付く度 MAX

終盤の「ある言葉」に心から同意。度    MAX

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