ネタバレなし 東野圭吾 噓をもうひとつだけ(加賀恭一郎シリーズ)

東野圭吾

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【東野圭吾 噓をもうひとつだけ 概要】

バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落死した。

事件は自殺の方向で処理されるかに思われたのだが・・・

同じマンションに住む元バレリーナのところへ、ひとりの刑事がやってきたのだった。(表題作「噓をもうひとつだけ」

全部で5編からなる、加賀恭一郎シリーズ第六弾にして初の短編集。

【ネタバレなし 感想と考察】

5編すべてのお話において、加賀の慧眼に驚かされ

じわりじわりと犯人を追い詰めていく様にはぞわぞわします。

こんなん、私が犯人ならイライラしてボロを出してしまいます・・・きっと。

個人的には犯人、トリックというよりも人を描くことに重きを置いて書かれているように思えて

加賀と他の登場人物のやり取りや心理戦、心理模写がとても面白かったです。

本書はシリーズ初の短編集であり、シリーズ唯一の短編集。

それぞれ50~60ページ程度の短編となっています。

内容も長編と比べるとかなりあっさりとしていて、とても読みやすいです。

加賀恭一郎シリーズはそれぞれ単体でも十分に楽しめますが、私はできれば順番に読まれた方がより楽しめるかなと思うタイプです。

ですが。

この短編集はかなり読みやすくとっつきやすいと思うので、こちらを最初に読まれるのもありかも。

今回はひとつひとつの短編について、個人的五つ星評価とともに書いていきますね。

〇噓をもうひとつだけ ★★★★★

表題作。

バレエ団にまつわる事件ということで、

こちらもバレエ団を舞台にした第二弾『眠れる森』を経た加賀が見られ

その姿を嬉しく思いました。

シリーズならではの繋がり、こういうの大好きです。

ここでは『眠りの森』と同じく、ストイックなバレエの世界が描かれています。

犯人の動機は悲しいものでした。

〇冷たい灼熱 ★★★★★

夫が帰宅すると、妻は何者かに襲われ殺害されていました。

さらに、一歳の息子は行方不明に。

妻を殺害した犯人は。

そして息子の安否、所在は。

これは一番胸が痛かったお話です。

〇第二の希望 ★★★★★

体操でオリンピックを目指す娘とその母。

そんな二人の自宅で、母の恋人が亡くなりました。

犯行が可能な人物は、一体誰か。

このお話では、母子が二人で肩を寄せ合い生きてきた、その年月と思いをとても大きく感じました。

犯人の動機に関してははっきりとは明記されていませんが、それに思いを馳せると・・・

ものすごく心が震えます。

〇狂った計算 ★★★☆☆

夫を亡くしたばかりの妻が、たびたび生花店に菊とマーガレットを買いに来る。

物語はその場面から始まります。

ですがそう単純なお話ではないんですね。

意外な展開の連続。

何重にも驚かされ、とても読み応えがありました。

ということで内容はとても面白かったのですが・・・

いかんせん、私にはある登場人物がどうしても受け入れがたかったので。汗

そんな感情で、星三つです。

〇友の助言 ★★★★★

最後の1編は、起こる事柄も、加賀の関わり方も、他の短編とは全く違います。

加賀と会う約束をしていた友人が、その道中高速道路で事故を起こしてしまいます。

それは偶然起こった事故だったのか。

加賀の刑事としての目と、友人を思う気持ちが人として温かく思えて、一度読むだけでかなり心に残ったお話です。

ラストを飾るのにふさわしい!

【個人的 五つ星評価】

人を描いた短編集だと思う度 MAX

加賀の思いが温かい度    MAX

シリーズの中でのおすすめ度 ★★★★★

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