はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 天使の耳 概要】
深夜の交差点で衝突事故が発生した。
信号無視をしたのはどちらの車だったのか。
亡くなったドライバーの車には妹が同乗していたのだが、彼女には視覚障害があり
今までになかった方法で兄の正当性を証明しようとする(表題作「天使の耳」)。
当たり前の日常の中で、誰にでも起こりうる交通事故。
6その運命の急転を書いた、全部で6編からなる短編集。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇交通警察の夜
本書は「交通警察の夜」が改題された、交通事故が題材の短編集となっています。
小説ですから作られたお話ではあるんですが、すべてリアリティがあって怖すぎるんですね。
車の運転
普段は当たり前のように何気なくしていることですが、改めて、大きな責任を伴う大変な作業なんだと感じました。
運転していてヒヤッとすることって多々ありますよね。
私は幸い事故を起こしたことも、事故に合ったこともありませんが
これだけたくさんの人がいて、たくさんの車があって、みんなが安全に生きていくのはものすごいこと。
でも、それは個々がきちんと認識していればきっと叶うこと。
今まで以上に気を引き締めて運転に臨もうと感じました。
事故等を起こした側の「人間のいやらしさ」が描かれているのも、妙にリアルで引き付けられます。
東野圭吾さん作品の中ではそこまで有名ではない本書ですが
車を運転する方にも、まだ免許を取る前の方にも、本当にできるだけたくさんの方に読んでいただきたい作品だなと心から思います。
ということで、今回はひとつひとつの短編について個人的五つ星評価と共に書いていきますね。
〇天使の耳 ★★★★★
夜中の交差点で起こった衝突事故。
少女は兄の車に同乗していました。
その事故で兄を亡くした彼女。
視覚障害があり目が見えない彼女は、驚くべき方法で兄の正当性を証明しようとします。
結末にも驚き、ゾワッとしました。
〇分離帯 ★★★★★
運送業者のトラックが分離帯に突っ込み、反対者車線にまで被害を出す事故を起こしました。
そのドライバーは亡くなってしまうのですが、その事故の原因はあまりにも理不尽なものでした。
警察が対応してくれること。
法で裁けること。
その矛盾。
タイトルの意味がわかった時には鳥肌が立ちました。
〇危険な若葉 ★★★★☆
夜道で若葉マークをあおりに煽った人物は、その車が事故を起こしたことをわかっていながら救助もせずに逃げ出しました。
煽られ事故を起こしたのは若い女性。
幸い彼女の命は無事で、他に被害者も出なかったのですが・・・
ここまであおり運転が社会問題になっている今でも、平気で煽ってくる人はたくさんいます。
もっと何とかならないものかと常々思っているので、感情移入しながら読み進めてしまいました。
〇通りゃんせ ★★★★★
ある雪の日、彼女の家の前で一晩路上駐車をした男。
翌朝その車のボディにはこすったような傷がつけられており、ランプも破損していました。
男は憤りながらもどうしようもなく、その車を修理に出すのですが
後日、車を傷つけたことを謝罪したいと名乗る人物から連絡がありました。
そしてその人物が取った行動とは・・・
これはものすごく怖かった。
これぐらいいいやろう
みんなやってるし
じゃないんですよね。
怖くて仕方ない話なのに、ラストがすごく悲しい。
とても印象に残るお話です。
〇捨てないで ★★★★☆
高速道路で、前の車が投げ捨てた空き缶のせいで大変な事故にあってしまった女性。
彼女は彼と共に、自分の両親に結婚の挨拶に行った帰りでした。
この事故の詳細、事故を起こした人物の人となり、受け止められなければいけない現実。
それらすべてが読んでいて痛かった。
いろんな意味で、うまく作られているなぁと感心してしまった作品です。
〇鏡の中で ★★★☆☆
夜中に起こった事故。
事故を起こした人物は素直に非を認め、事故処理は順調に進んでいくように思えたのですが・・・
この事故の真実には呆れるやら腹立たしいやら。
内容としては面白かったのですが、このお話だけは個人的にラストがしっくりこなかったです。
【個人的 五つ星評価】
運転の気を引き締める度 MAX
すべてが他人事ではない度 MAX
たくさんの人に読んでほしい度 MAX
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