はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 むかし僕が死んだ家 あらすじ】
「あたしには幼い頃の思い出がない」
7年前に別れた恋人・沙也加はそう言った。
沙也加の記憶を取り戻すべく、私は彼女ととある家を訪れた。
山の中にひっそりと立つ、人目に触れることもほとんどない、異国調の白い小さな家。
そこで二人を待ち受けていた、恐ろしい真実とは・・・
【ネタバレなし 感想と考察】
〇独特の世界観と、沙也加という人
7年も前に別れた元恋人・沙也加からの電話により、お話の幕が上がります。
この時点で沙也加には夫と子供がいるので、
なぜ「私」にこのような頼みごとをするのか、
様々な行動はどういう意図でなされているのか
という疑問が何度も浮かぶんですね。
そして「私」と沙也加が向かった先は、山の中にひっそりと立つ、人目に触れることもほとんどない、異国調の白い小さな家でした。
沙也加の幼い頃の記憶
2人はこの謎を解いていくのですが、舞台はほぼこの家の中のみ。
そして、ここで実際に登場する人物は「私」と沙也加の二人のみ。
それでも読者を飽きさせることなく最後まで書ききる東野圭吾さんは、さすがとしか言いようがありません。
本書では雰囲気がずっと不穏で、まるで自分自身がそこにいるかのような感覚になるんですね。
不思議で不安で、ぞわぞわとする世界観です。
さらに、悪天候という設定もあるからかとても湿り気を感じてしまいます。
そして伏線に次ぐ伏線。
終盤にはそれがどんどん、さらりと回収されていくんです。
これに関しては感服です。
ほぼ全部が伏線やん
と思うほどでした。
もちろん前述の
なぜ「私」にこのような頼みごとをするのか、
様々な行動はどういう意図でなされているのか
という疑問もきちんと解明されます。
そして、タイトルの意味は最後にわかります。
〇興味深いテーマ
本書は2022年時点ですでに27年も前の作品であるにもかかわらず、取り上げている題材は今でも十分問題提起となるものです。
むしろ今の方がさらに「他人事ではない」、数多く耳にする問題なんですね。
東日本大震災の遥か前に原発について書かれた『天空の蜂』もそうですが、
東野圭吾さんのこういうところにはものすごさを感じずにはいられません。
テーマがテーマなだけに、ラストをどう締めるのかがとても興味深かった本書。
余韻が残るこのラストは、私はとても好きでした。
【個人的 五つ星評価】
伏線の回収が気持ちいい度 ★★★★★
世界観に引っ張り込まれる度 ★★★★★
テーマが興味深い度 ★★★★★
価格:682円 |
新品価格 |
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