はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 真夏の方程式 あらすじ】
両親の仕事の事情で、夏休みを叔母の家で過ごすことになった小学5年生の恭平。
叔母一家は玻璃ヶ浦で旅館を経営している。
一方で湯川は仕事で玻璃ヶ浦を訪れ、しばらくその宿に宿泊することになった。
そんな中、宿泊客が亡くなるという事件が起こる。
その宿泊客は元刑事であり、かつて逮捕した男は玻璃ヶ浦に縁のある人物だった。
この事件は事故なのか。殺人なのか。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇湯川と恭平の出会い
もともと
「論理的ではないから子供は嫌いだ」
と言い放っていた湯川が、恭平と長い時間を共有する姿、湯川と恭平のやり取りがなんとも微笑ましかったです。
湯川を「博士」と呼ぶ恭平はとても可愛かったですし
恭平に対し「子供」としてではなく「ひとりの人間」として接する湯川は素敵でした。
二人のやり取り。
これは本書の最大の見所ではないかと思います。
〇「知らないこと」を「知ること」
湯川と恭平の海での実験シーンでは、キラキラした映像が自然と脳裏に浮かびます。
それだけではなく、湯川が恭平に教える内容は、理科が苦手な私でもわかりやすく興味深い。
中には生活において知っておいた方がいい知識などもあり、
それを「知らない人」と「知っている人」とでは、万が一の時に運命が変わるのではないかと思える事柄もありました。
世の中には知らないことがまだまだたくさんあります。
知らないことを知ること、知ろうとすることは思っている以上に大切で、楽しいことなのかもしれない。
わからないものは仕方ない。
できないのなら仕方ない。
それでいいのかと、考えさせられました。
〇湯川という人
人との共同作業があまり得意ではない湯川。
確かに人と何かをするということは多少なりともストレスのかかることではありますが
それにしても今回は、協力を依頼してきた「デスメック」に対する湯川のスタンスがあまりにクールで笑ってしまいました。
人や物事を見る力に長けている湯川ですが、彼は必要以上にそれらに関わろうとはしません。
それは今回の事件に対してもそうでした。
しかし本書では、今まで以上に物理学者としての湯川の考え方、生き方がよくわかります。
その上で、人の人生を思う気持ちを持ち、細かなところに配慮ができる湯川が見られたことがとても嬉しかったです。
このブログでも何回も書いてきましたが、私は『容疑者Xの献身』以降の湯川が好きです。
それ以降の湯川の人間らしさが好きなんですね。
本書では、少しではありますがその辺にも触れた記述があったことも嬉しかったです。
〇事件の真相
これは意外どころの騒ぎではありません。
賛否はあると思うのですが、私は辛くて仕方なかったです。
終わり方にも賛否あるかもしれません。
ですが、湯川が最後に選んだ行動、最後に「ある人物」のために発した言葉の数々には、とても心が揺さぶられました。
ガリレオはシリーズ物なので、これから先、どれだけ先でもいいので、
この「ある人物」と湯川の再会を、ぜひとも書いていただきたいと思っています。
【個人的 五つ星評価】
湯川の人間らしさに嬉しくなる度 MAX
事件の真相の衝撃度 MAX
シリーズの中でのおすすめ度 ★★★★★
価格:902円 |
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