はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 希望の糸 あらすじ】
常連客も多い、温かな喫茶店を営む女性が殺害された。
加賀・松宮たちが捜査をするも、関係者たちはみんな口を揃えて言う。
被害者はいい人だった。
被害者の不可解な行動を調べていくと、ある少女の存在が浮上する。
また一方で、金沢ではひとりの男性が息を引き取ろうとしていた。
彼が残そうとしている遺言書には意外な人物の名前があったのだが・・・
それぞれが追い求めた「希望」とは、一体何だったのか。
松宮がメインとなる、加賀恭一郎シリーズスピンオフ作品。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇加賀恭一郎シリーズスピンオフ作品
こうはっきり明記されている訳ではありませんが、本書は加賀恭一郎のいとこである松宮脩平がメインとなっているので、加賀恭一郎シリーズスピンオフ作品と書きました。
加賀恭一郎シリーズ第七弾『赤い指』で初登場した松宮は、時には加賀とコンビを組んで捜査をし、
時にはいとこという立場で加賀と加賀の父を思い、その親子関係にも深く関わってきました。
初登場ではまだまだ若く未熟な部分も多かった松宮ですが、本書ではその成長した姿が見られたのも嬉しいところです。
メインとなる「女性殺害事件」の捜査には加賀も携わっていますが、加賀の登場は今回そう多くはありません、
それでも、加賀の刑事としての信念や思いは何一つ変わっていませんし
さらに松宮を思う、いとことしての加賀もいて
相変わらず安定感・安心感は抜群な上に、嬉しいポイントだらけでした。
〇軸は三つの家族
お話は、メインとなる事件を含み、大きく分けると三つの家族の事象が複雑に絡み合っていく形となっています。
どの家族のどの部分がどこに接点を持っているのか。
私は加賀恭一郎シリーズの大ファンなんですが、第七弾『赤い指』以降の作品は、涙なしでは読めないんです・・・
中でも、『赤い指』と第十弾『祈りの幕が下りる時』は間違っても外では読めません。
これだけ思い入れがあるのはやっぱり、特に第七弾以降の作品には『人』『家族』『絆』と加賀の信念が色濃く描かれているからだと思うんですね。
だから人の内面を描いた小説が好きな私にとって、これがザクザク刺さるんだと。
本書もそれは例外ではなく、東野圭吾さん節が刺さります。
そして今回も、涙なしで読み終えることはできませんでした。
〇テーマと事件の犯人について
本書には家族の愛だけではなく、さらに東野圭吾さんらしいテーマが盛り込まれています。
書いてしまうとネタバレになってしまいそうなのでこちらの説明は避けますが、
私はある人物が長年ずっと抱えていた思いに触れた時、
私にもこう思えるような状況が訪れたりするんだろうかと
そんなことを真剣に考えてしまいました。
そして事件の犯人に関してですが・・・
これは意外ではあったけど、正直ちょっとこの人物の考えと行動は理解できないところだらけでした。
全体的によくわからない。
だから思いを馳せることもできない。
それでも読後感が悪くないのはやはり、人の思い、温かさと加賀恭一郎の信念が描かれているからなのかなと。
そう強く思いました。
登場人物が多いので名前と立ち位置が一致するまでには少しかかりますが。笑
シリーズファンとしては、読んでおいて損はない一冊かなと思います!
【個人的 五つ星評価】
松宮の成長が見られて嬉しい度 MAX
我が身を振り返ってしまう度 ★★★★★
加賀の存在が温かい度 MAX
価格:968円 |
新品価格 |
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