ネタバレなし 東野圭吾 祈りの幕が下りる時(加賀恭一郎シリーズ) 

東野圭吾

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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東野圭吾 祈りの幕が下りる時 あらすじ

加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのか――

加賀恭一郎シリーズ10作目。

今回起こった事件は、加賀の人生に深く深く関わっていた。

加賀はなぜずっと所轄にいるのか。

加賀の母はなぜ姿を消し、どのように亡くなったのか。

シリーズ最大の謎が解き明かされます。

ネタバレなし 感想と考察

〇加賀恭一郎と母・百合子について

序盤は加賀の母・百合子が家を出てからどのような人生を送ってきたのかが書かれていました。

そして、百合子が家を出た本当の理由は、物語の終盤に書かれています。

この時代にはまだ解明されていなかったこと」

昔はその概念はなかった」

などという言葉は、現実世界でもいろいろな方面でよく耳にします。

今まではAという概念が社会の共通認識であり常識だったのに、それがある日突然、

実はBという概念が正しかった

Cが正しいと解明された

となることは、本当に多々あると思うんです。

もっと早くに解明されていれば結果はまた違っただろうに

ということは、世の中にはたくさんあるんだろうなと思います。

それでも百合子の愛情が、思いが、少しでも加賀に伝わるようにと願わずにはいられませんでした。

〇加賀恭一郎という刑事の在り方

また、今回の事件は複数あり、それぞれが思わぬところで繋がっています。

加賀だけではなくいとこの松宮刑事もが足を使い、各々の感覚や信念のもと捜査していく姿が、今回とても印象的でした。

回り道をしながらも小さな事実を積み上げていく様は、今回も読み応えがあります。

中でも原発に関する部分は考えさせられるものであり、同じ東野圭吾さんの作品『天空の蜂』を彷彿とさせました。

(これは余談ですが、『天空の蜂』も重厚でとても面白い作品なので、これもまた感想を上げようと思っています。)

紆余曲折しながら操作は進み、だんだんと真実に近づいていく。

これは読書においてとても面白い、楽しめるポイントだと思うんです。

しかし加賀恭一郎シリーズにおいては、「犯人が誰か」であることよりももっと大切なことがたくさんある。

例えば「赤い指」ではそれが「家族の在り方」だったと思います。

本書ではそれは「父娘の絆」であり、私が一番心を打たれたのはそこでした。

親子とは、絆とは――

〇浅居博美と父・忠雄について

言うまでもなく、浅居博美の人生は壮絶なものでした。

母からの仕打ち。

それによって博美父・忠雄がどのように生きてきたのか。

最後に博美が母に対し取った行動は、母がした行い・それによって引き起こされた悲劇を考えるならば、私からすれば優しいくらいです。

そして何より終盤の博美忠雄のやり取り。

ここはやはり東野圭吾さん

感服でした…

親というものは我が子のためにここまでできるものでしょうか。

親子というものはここまでの絆で繋がれるものなのでしょうか。

何度読んでも、結末がわかっていても、私は本書を涙なしに読むことはできません。

 

【おすすめのポイント・総評】

前述の通り東野圭吾さんの作品には、内容を知っていても、何度読み返しても涙なしには読めないものがたくさんあります。

私にとってこの作品はその最たるもので、間違っても外では読めません。

その上、読み返すには覚悟がいります(いい意味で!)。

もう何度目かわからないくらい読み返しているのに、今回もまた…

本当に、外で読まなくて良かったです。

今後も定期的に読み返すであろう、とても好きな作品です。

本書だけでも十分に読み応えがあり楽しめますが、できれば加賀恭一郎シリーズを順番に読んで行かれることをおすすめします。

その方がより、心を揺さぶられるはずです!

また、この作品は阿部寛さん主演で映画化もされています。

小説の実写化と言うと、素晴らしいものもあればイマイチなものもありますが、私は個人的に、加賀恭一郎シリーズにおいては実写化大成功だと思っています。

この作品の他にも

・新参者 (連続ドラマ)

・赤い指 (SPドラマ)

・麒麟の翼(映画)

・眠りの森(SPドラマ)

が実写化されています。

本書『祈りの幕が下りる時』の映画では、浅居博美を松嶋菜々子さん、浅井忠雄を小日向文雄さんが演じました。

小日向さんはさすがとしか言いようがありません。

松嶋さんも、こんなに迫力のある演技をする女優さんだったんだと驚きました。

そして中でも強く印象に残ったのは、14歳の博美を演じた桜田ひよりさんです。

私は映画もまた、涙なしには見られないのですが…

こちらもまた、おすすめです。

個人的 五つ星評価

加賀恭一郎シリーズでのおすすめ度 MAX

外で読めない度          MAX

実写化おすすめ度         MAX

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感想(59件)

 

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