はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【芦沢央 悪いものが、来ませんように あらすじ】
助産院に勤める紗英は、夫の浮気と不妊に悩んでいた。
彼女の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在であった奈津子。
その奈津子は育児中であり、また実母や夫、社会になじめず紗英を心の支えとしていた。
そんな中、紗英の夫が他殺体として発見されるのだが・・・
「犯人」は逮捕されたものの、それをきっかけに2人の運命は大きく変わり始める。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇やられた。
とりあえずとにかく、本書に関してはまず何よりも
やられた。
もうこれに尽きます。
裏表紙には
最後まで読んだらもう一度読み返したくなる
と書いてあったのですが、それでもやられてしまいました。
いわゆる「作家さん読み」するタイプの私にとって、新しくお気に入りの作家さんを見つけた時の感動はまさに
お宝発見!
なのですが、やっぱり芦沢央さんは私にとって相当のお宝発見でした。
これは間違いない。
本書に関してはもう夢中になりすぎて読むのが止められなくて、気付いたら朝の5時でした(しんど。汗。でも楽しい)
しかも読み終わったあとは
脳内ザッパ―――ン!!!
となってしまっていたので、高揚感がおさまらなくてなかなか寝られなくなって、体調を戻すのに数日かかるという・・・
でも、こういう読書の楽しみはサイコーなんですよねぇ・・・!
〇でも、困った
ですが。
ちょっと困ったことが。
本書、ネタバレなしに感想を書くことがめちゃくちゃ難しいんですよ・・・
一番書きたいところ、一番揺さぶられたところが、
まさにネタバレそのもの。
でも伝えたい。
どうしよう。
このブログの決めごととして、ネタバレは絶っっ対に避けたいので、できるだけ削ぎ落として削ぎ落として、この感動を伝えようと思います。
〇「ある仕掛け」
もうお気付きかと思いますが、本書には「ある仕掛け」がなされています。
小説においての「仕掛け」っていくつも種類があるかと思うんですが、ここでの「仕掛け」がどんなものなのかは、ヒミツです。
本書はプロローグから始まり、第一章から第六章と続き、エピローグで終わるという構成となっています。
まず第一章で骨組みとなる人間関係がわかり・・・
ですが第二章では急に、唐突とも言えるような展開になるので
えなんで?なんでなんで??
と、正直頭と心がついていかない部分がありました。
また、文章が頭に入りにくいというか
芦沢央さんの文章ってこんな感じやったっけ・・・
と戸惑ってしまうような、文章の運び方。
さらにはたくさん散りばめられた、それぞれはとっても小さな違和感。
これが全部この「仕掛け」のためになされていたとは・・・
やられた。
もう参りました。
〇それだけではない魅力
でも、本書の魅力は決してその「仕掛け」だけではないんですね。
むしろ、これが書きたかったからこその「仕掛け」だったのか
と思わせる内容が続いていくんです。
そこからはもう、心をつかんで揺さぶられっぱなしでした。
自分を顧みたり、自分を重ねてみたり・・・感情が溢れる。
こんな気持ちになったのも、こんなにたくさんのことを思い、考えながら読書をしたのも、初めてだったように思います。
心から絞り出すような涙が出ました。
〇本書のテーマ
私が思う本書のテーマ。
これも書くとネタバレになってしまう気がして書けないのが辛いのですが
ラストシーンの「ある登場人物」の一言。
これは言葉通りだけではなく、そこにどれだけの思いと重みが含まれているのか
私はそれを想像するだけで、ゾッとするような、光を感じるような悲しみを感じました。
「もう一回読み返したい」と思う小説は今までにも何冊もありましたが、本書に関してはは翌日すぐに読み返したという・・・
これも初のことです。
でも。
これが刺さる方って限られているような気もするんですね・・・
私の中では本書が刺さりやすい方の特徴がはっきり想像できているけど、これもネタバレが怖いのであまり詳しくは書けなくて・・・(辛い)。
ざっくり大きく分けると、男性よりも女性の方が刺さりそう(これが限界)。
やはり芦沢央さんは女性の心理、内面を描くことに長けた作家さんだなと再認識したお話でした。
【個人的 五つ星評価】
とにかく「やられた」度 MAX
読了後の脳内ザッパ―――ン度 MAX
芦沢央さんはやっぱりお宝。度 MAX
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