はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【芦沢央 罪の余白 あらすじ】
安藤の娘、加奈が学校で転落死をした。
「全然悩んでいるようには見えなかった」
クラスメートたちからの手紙を受け取った安藤は、娘が死を選んだ理由を知りたいと心から願う。
加奈の日記はなかったかと探す安藤。
そんな中、安藤の家を弔問に訪れた少女。
二人が出会い、事態は急速に進んでいく。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇序盤から心が痛い。
我が子を亡くすということは、それを想像するだけで心がちぎれそうになるようなことです。
あらすじをある程度知った上で読み始めたのですが、それでも痛くて痛くて仕方がなくて・・・。
芦沢央さんの文章は独特。
娘を亡くした父親の心理模写や生前の二人のやり取りなどは、読んでいるだけで本当に苦しかったです。
文字や文章が心をサクサク、ザクザク切り付けてくるような感じで、それが一番印象に残りました。
〇思春期・女のコ・・・の空気感
亡くなった娘は高校生でした。
そしてその死の真相を知っているのも、同じ女子高生たち。
ですが芦沢央さんの書く
この時期の女のコ同士のグループ内での関係・バランス、教室内での位置づけ、【3人】という難しさ等々・・・
この辺はあまりにリアルで、えぐみすら感じてしまいます。
私の頃でもしんどさはあったのに、今の子供たちはスマホで繋がっていたりするので、学校を離れても切り離すことができなくて本当に大変だなと思ったり。
私もこの頃、よくわからない理由で理不尽な目に合ったことがありますが
ある日突然そんなことになったら、急に足場がなくなったような感覚になるんですよねぇ・・・
子供にとっては学校がすべてといっても過言ではないと思うし、私はその時、ひとりでいることそのものよりも、みんなに「ひとりだ」と思われることの方が辛かった。
ということを、今でもはっきり覚えています。
それにしても、こんなにも事の重大さがわからない子が存在するんでしょうか。
物事の理屈、こうすればこうなる、先を考えるということ
決して自分が完璧にできているとは言えないけど、みんなそれなりに身に着けていくことだと思うんですが・・・
「ある少女」がこのようになった原因。
それは書かれてはいるんだけど、それだけでは私の中ではここまでのことに結びつかなかったので
ここはもっと深く掘って書いてもらえるとより嬉しかったかなと思います。
〇子を思う親の気持ち
また、父親の行動ですが。
先に書いたように、我が子を亡くすことは想像するだけで耐えられないようなこと。
痛いし辛い。
知っている言葉では到底言い表すことができないくらいのことだと思うんですね。
なのに、それに他人が介在していたとしたら。
さらにそこに悪意が存在していたとしたら。
私ならこうする
ということは、いくらでも想像できます。
とても激しいこと、はっきり言ってしまえば選択肢はひとつしかないくらいのことを考えてしまいます(直接的な表現はさけておきますが)。
でもそれは、想像の中だから何とでも言えるのかもしれません。
どうしたら少しでも救われるのかなと考えた時、答えなんかなかった。
それでも本書は、少しでも救いがあったのかなと・・・
そう思いたいなと思えたラストでした。
【個人的 五つ星評価】
文字や文章が切り付けてくる度 MAX
父親に感情移入してしまう度 MAX
我が子を思う度 MAX
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