ネタバレなし 芦沢央 火のないところに煙は

芦沢央

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【芦沢央 火のないところに煙は 概要】

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」

その突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕するが・・・

彼女が心に封印してきた悲劇は、まさにその地で起こったものだった。

葛藤の末、真実を求めて執筆を始めた〈私〉

評判の占い師・悪夢が憑く家・鏡に映る見知らぬ子ども・・・

怪異がまた次の怪異を呼び、背筋の凍る真相へとひた走る。

これはもはや他人事ではない。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇私にとっての芦沢央さん  

私にとって芦沢央さん

初めて読んだ『今だけのあの子』からハマり、その後『許されようとは思いません』『罪の余白』『いつかの人質』と読み進め、その文章のチカラに圧倒され、『悪いものが、来ませんように』でさらに心を深く持っていかれた

という、唯一無二の作家さんです。

もちろんお話の内容も面白くて好きなのですが、それ以上に、芦沢央さんの書く文章が好き。

心をえぐってくるような、文字や文章が心をサクサク、ザクザク切り付けてくるような感じが印象的で大好きなんです。

〇ほんまの話なん!?の連続

本書は怪談、怪異が描かれた作品。

全体を通してドキュメンタリータッチで進んでいきます。

その匙加減がとてもうまいので、途中で

え。これほんまの話なん・・・。違うやんな・・・??汗

となってしまいます。

というか、その連続です。

あらすじをコンパクトに説明すると

第一話「沁み」・・・

主人公〈私〉の経験談であり、初めて執筆した怪談。とある有名な占い師の助言を受け、関係が変わり始めてしまった彼氏・彼女に起こった怪異。

第二話「お祓いを頼む女」・・・

息子に起こった出来事を怪奇現象だと言い切り、それに怯え、お祓いを熱望する母親に起こった出来事。

第三話「妄言」・・・

引っ越し先で出会った、一見人当たりの良さそうな隣人。その隣人の妄言により妻は常軌を逸し、夫婦の新生活に起こった出来事とは。

第四話「助けてって言ったのに」・・・

夫の両親と同居する女性。何度も繰り返し見る、火事で焼け死ぬ夢の苦しみがとてもリアルで苦しい。助けてほしいと切に訴えているのだが・・・とある助言に従ったことにより起こった結末とは。

第五話「誰かの怪異」・・・

とある男性が住むアパートに現れる幽霊と、怪奇現象。部屋に泊まりに来た友人に、除霊ができる友人を紹介してもらうのだが・・・

最終話「禁忌」・・・

すべてのお話のつながりは、あるのかないのか。

〇読んでも―た。

ひとつひとつのお話はそれだけで読み応えがあるのですが、なんと言ったらいいのか・・・

なんかわからんけど、なんか怖い!

って、ものすごく怖い。

シンプルな怪談、というわけでもなく、人の怖さと怪談がうまく混ざりあっていて、そういう意味でも怖かったです。

特に第五話「誰かの怪異」なんかはもう、

うわぁ~芦沢央さんやなぁ!(いい意味で!)

という感じでしたね。

やっぱり容赦なくサクサクザクザク切り付けられました、私は。笑

そして最後の「禁忌」

これがもう・・・これはアカン。

読んでも―た。(呆然)

この意味、きっと本書を読まれた方なら分かってくださるはず。

もう読み終わってもうた。

とか、

記憶を消してもう一回最初から読みたい!

とかではなく、

読んでも―た。(呆然)

他人事ではなく、こちら側にもするりと入り込んでくるような恐怖。

派手さはないけどじわじわ来る恐怖。

こういうのが一番ずしんと来るんですよ・・・(いい意味で!)(2回目)

しばらくは頭から離れなくて、めっちゃ怖かったです。

本当に夏にぴったりな作品。

暦の上ではもう秋ですが、まだまだ暑いので・・・おすすめです。

ほんで・・・本書・・・

これ、ほんまの話じゃないですよね・・・??汗

【個人的 五つ星評価】

特に夏におすすめ度 MAX

人の怖さも感じる度 MAX

読んでも―た度   MAX

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感想(1件)

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