はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【芦沢央 今だけのあの子 概要】
一番の親友だと思っていたのに。
大学からの女子グループの中で、どうして自分だけが結婚式に招待されなかったのか(「届かない招待状」)。
環境や立ち位置が変わると「友情」は変化する。
友情の中にふと芽生えた、違和感・嫉妬・不信感・・・
「女性の友情」に潜む秘密、その真相を描いた、全部で五編からなる短編集。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇お宝発見。
私はいわゆる「作家さん読み」をするタイプで、好きだと思った作家さんの作品を順に読んでいくタイプなんです。
なので、新たに好きな作家さんが見つかることは、私にとってはまさに
お宝発見
なんですね。
芦沢央さんの作品は書店で何度も目にして気になっていましたが、その中で「初めて」に選んだのが本書でした。
これが大正解!
私にとってはまさに
お宝発見
であり、芦沢央さんにハマるきっかけになった短編集です。
〇想像する結末と、意外な結末
全部で五つの短編は、読んで行く途中でかなりの方々が先を想像してしまうであろう作品ばかりです。
すべての作品において、意外な結末が待っているのですが・・・
深く考えず、流れに身を任せて読まれた方が、本書をより楽しめるのではないかと思いました。
そして、すべての短編が他の短編とリンクしているので、それを見つけるのもまた楽しい。
ということで、今回はひとつひとつの短編について個人的五つ星評価とともに書いていきますね。
〇届かない招待状 ★★★★★
グループの中で自分だけが結婚式に呼ばれなかった。
一番の親友だと思っていたのに。
芦沢央さん初心者だった私は、もう序盤からいきなり引き込まれてしまいました。
心情模写や、微妙な空気感。
リアルすぎて心にビシビシ刺さってきます。
結末はこのお話が一番意外だったかもしれません。
〇帰らない理由 ★★★★☆
主な登場人物2人は、共に中学生です。
2人はある少女の友達と恋人。
舞台は回想シーンを除くと、ほぼひとつの部屋だけで進んでいきます。
ある少女の部屋から帰ろうとしない2人。
ある事柄をめぐる、友達と恋人の心理戦。
全部をひっくり返すようなラストには、圧巻でした。
〇答えない子供 ★★★★★
共に就学前の子を持つ2人の女性のお話です。
2人は子供の習い事で出会ったのですが、どうも合わない。
どうしてこう無神経なんだろうか、と、片方のママは思っているわけです。
ですが習い事が同じ。入学する小学校も同じ。
だから下手なことはできない。
このお話は一番心が痛かったかも。
女性作家さんならではの作品ではないかなと思います。
ラストも秀逸。
〇願わない少女 ★★★★☆
これは見事に騙されたお話。
友人である2人の少女は、共に同じ夢を目指していたのですが・・・
片方の少女には、相手に打ち明けられない大きな秘密がありました。
終盤のある一文には、誰もが驚愕すると思います・・・!
本当に、お見事でした。
〇正しくない言葉 ★★★★★
子供たちは独立し、孫もたくさんいて、さらについ最近夫を亡くした女性のお話。
私はアラフォーなので、まだ見ぬ未来を考えずにはいられませんでした。
もう他人事ではない、そう遠くもない未来。
寂しくなったり、怖くなったり・・・
ですが、そんな気持ちに一筋の光を感じさせてくれるラストには、涙が出そうになりました。
読む年齢で感じ方が変わりそうですが、一番好きだったお話です。
【個人的 五つ星評価】
お宝発見!度 MAX
芦沢央さんの他の作品も読みたくなった度 MAX
心理模写や表現がザクザク刺さる度 MAX
価格:814円 |
新品価格 |
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