はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 麒麟の翼 あらすじ】
胸を刺された男性は日本橋の上で息絶えた。
なぜ彼は、そんな瀕死の状態でそこまで移動したのか。
加賀恭一郎は独自の捜査の中で、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。
だが家族はその目的には心当たりがないという。
被害者が伝えたかった事とは何なのか。
そして加賀の捜査、信念に触れ、ある人物の心に生まれた変化とは。
加賀恭一郎シリーズ第九弾。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇舞台は日本橋
前作『新参者』の続き、今回も舞台は日本橋です。
私は関西人なので、想像しながら読むのも楽しかったですが、土地勘がある方はもっと楽しめるのかなぁ(羨ましい)と思いながら読み進めました。
前作ですでに、これでもかと町を歩き、人と触れ合い、その町を知ろうとしていた加賀ですが
今回はそれがさらに実になっていて、これは確実に『新参者』を経た世界なんだなと
そんなことが感じられて嬉しかったです。
〇加賀恭一郎という刑事
物語は、胸を刺された男性が瀕死の状態で日本橋まで移動し、そこで息絶えてしまうところから始まります。
もうここでいきなり掴まれ、引き込まれてしまいました。
誰に刺されたのか。
なぜそんなところまで移動をしたのか。
ふたつの大きな謎を探るべく、独自の捜査を行う加賀。
この姿勢と信念は今まで見てきた加賀で、何も変わっていないし、裏切りません。
ここがいいんですよね~。
ただ犯人を突き止めただけでは事件は終わらない。誰も救われない。
だからなんとしてでも「真相」を掴む。
加賀のこのゆるぎない思いと温かさに、やっぱり心を惹かれるんです。
〇事件の真相について
犯人は意外な人物ではありました。
ですが私にとってはそれよりも、加賀が突き止めた「真実」の方が何倍も心に響くものでした。
東野圭吾さんはこの加賀恭一郎シリーズでも、それ以外でも、たくさんの「家族」を書いています。
それぞれにいろんな関係性・思い・絆を書かれていて、腹が立つこと、胸を打つこと等様々な感情が沸き起こるのですが
本書では、親と子の絆を強く感じました。
家族であっても、思いを伝えるのは難しい。
相手の気持ちをそのままに受け取るのだって、簡単ではないです。
「家族だから」遠慮もないし、だからこその難しさってありますよね。
それでも、何か一筋の明るいものを感じさせてくれました。
これが加賀恭一郎のチカラであり、東野圭吾さんのチカラなんですね~。
ただ一つ。
「ある家族」については、別の角度でもその後を書いてほしかったかな。
この後どうなったのか、そこが気になるところです。
また、本書は阿部寛さん主演で映画化もされているのですが、日本橋で息絶えた男性・青柳武明を演じた中井貴一さんは本当に印象的でした。
こちらもまた、おすすめです。
【個人的 五つ星評価】
『新参者』を思い出して嬉しくなる度 MAX
親と子の絆を感じる度 MAX
シリーズの中でのおすすめ度 MAX
価格:814円 |
新品価格 |
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