はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 赤い指 あらすじ】
住宅街で少女の遺体がされた発見された。
捜査上には、ある家族が浮上してきたのだが・・・。
一見平凡に見えるこの家族に何が起こり、何が家族を狂わせたのか。
加賀恭一郎は独自の目、思い、信念でその真実に迫る。
家族の在り方を問うた、加賀恭一郎シリーズ第七弾。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇私が『赤い指』を好きな理由
本書は私にとって、加賀恭一郎シリーズにおいて一、二を争うほど大好きな作品です。
(肩を並べているのはシリーズ第十弾にして最終作の『祈りの幕が下りる時』です)
好きな本で読書感想文を書いてください
と言われたら絶対に本書を選びますし、もう何度読んだのかもわからないくらいの作品なんです。
私は読書に対して
一回読んで、内容わかったからもういいわ
とは思えない質で、同じ本を何度も何度も何度も読むタイプなんですね。
それによって、今までには気付けなかった部分に気付けることも多々ありますし
また回数を重ねることでも、自身が年齢を重ねることでも、感じ方や捉え方がガラッと変わることがたくさんあるから。
これはもう読書の楽しみの、大きな一つだと思っているんです。
そしてその楽しみがいっぱい詰まっていて、私の中でその代表格だと思っているのがこの『赤い指』。
私が、好きな本で感想文を書いてくださいと言われたら本書を選ぶ。と思っている理由は、まさにそこにあるんです。
〇これ以上はない
初めて読んだのはもう15年ほど前(2022年現在)。
当時私はまだ二十代でした。
本書では、すぐ犯人が明確に明かされます。
「犯人は誰か」というより「どのように解決するのか」というところに重きを置いているからです。
家族が殺人を犯してしまったという事実
私は初読の時、とにかくこの家族に不快感・嫌悪感が溢れて仕方なかったんです。
家族が殺人という重罪を犯したにもかかわらず、身勝手な言動を繰り返す登場人物に対して。
この時の私にとっては、世の中の当たり前、常識が軸となっていたんですね。
ですが。
子供が生まれてから読むと視点が変わってしまいました。
世の中の当たり前、常識。
それはわかっているんだけど・・・
それを大前提とした上で、人の親としてどうすべきかわかっているんだけど・・・!
それでも、
そう簡単に割り切って行動できるのか
どんな気持ちになるだろうか
人生をかけてこの状況を受け入れ、それに耐えることができるだろうか
そんなことを考えずにはいられませんでした。
また、大事な我が子を失ってしまった被害者の両親の思いも痛いほど想像できてしまって・・・
そしてさらに、
子供がある程度大きくなった今となっては、それらすべてを改めて感じた上で
その親のさらに親(祖父母世代)の目線にまで到達してしまって・・・。
たまらなくなってしまうという・・・泣
読むごとに、歳を重ねるごとにこんなにもたくさんの視点で物事を見て、考えることができる作品。
そう言う意味では、私にとって『赤い指』以上のものはありません。
こう思わせてくれるのは東野圭吾さんのチカラですよね~。
そしてやはり、加賀恭一郎の存在もとても大きいんだと思うんです。
〇加賀恭一郎という刑事。加賀恭一郎という人。
本書では加賀の刑事としての在り方・人としての在り方がとてもよくわかり
今までにも書かれてきた「父との関係」についても大きなことが起こり、重要なことが明かされるという
シリーズにおいてとても大事なポイントとなる作品だと思っています。
そしてそんな加賀が携わった今回の事件。
真実が明らかになるシーンでは、何回読んでも涙が出るんです。
ですがそれだけでなく、ラストにはじんわりと温かい気持ちにしてくれる、本当におすすめの作品です。
【個人的 五つ星評価】
唯一無二の作品度 MAX
家族を考える度 MAX
シリーズの中でのおすすめ度 MAX
価格:726円 |
新品価格 |
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