はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【誉田哲也 ノーマンズランド あらすじ】
葛飾区のマンションで、女子大生が殺害された。
姫川班が特捜本部入りするも、容疑者として浮上した男はすでに別件で逮捕されていた。
その情報は不自然なほどに遮断され、不自然な点も多々見られたにもかかわらず
特捜本部の捜査は行き詰ってしまう。
さらに、二十年前の少女失踪事件との関わりとは。
幾重にも隠蔽された真実は、驚くべきものだった。
姫川玲子シリーズ第九弾。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇「頑固一徹」のガンテツ
本書では、公安に行く前はその呼び名の由来通り「頑固一徹」であり、
現場百編の古いタイプの熱血刑事だったガンテツこと勝俣健作の若かりし頃の姿が書かれています。
こういうの、いいですよね~。
さらに厚みが感じられたことが嬉しかったです。
もちろんシリーズにおいて
犯人を捕まえるためならどんな手でも使う、人を蹴落とすことも平然とやってのける、そして玲子にはなんやかんやと噛みつく
というガンテツのこのキャラは必要不可欠なものですが
ガンテツが今のガンテツになった経緯については、なんというか・・・
なんとも言えない気持ちになってしまいました。
人は誰でも変化するものだとは思いますが、もしあのまま歳を重ねていたらどうなっていたのかなと
ちょっと想像してみたりもして。
〇悲しくて痛くて怖い。
テーマこそ違えど、前回の『ルージュ』と同じく今回も政治が絡んだお話です。
前作はその事件と犯人に対し、もう腹立たしくて腹立たしくて気分が悪くなってしまった私ですが
「今回の事件の一部」に対しては悲しくて仕方がなかったです。
悲しくて、痛くて、怖い。
完全に他人事とは思えない内容なんですね。
娘がいる身としては本当に怖くて怖くて、本書を読むことで想像してしまうことを、その想像を、
できるだけ広げてしまわないように
最小限で抑え込めるようにする努力が必要でした。
それくらい重い内容ではあります。
そして、私にとっては世の中やその現実を考える、ひとつのきっかけになるような内容でした。
〇やっぱり姫川玲子というと・・・
そしてやっぱり、どれだけ読み進めていっても姫川玲子は頭の中で竹内結子さんが浮かびます。
これはもう、第九弾の本書にいたるまでずーーーっとそうです。
ご存命であれば引き続き演じてくださったのかな
と思わずにはいられないですね。
これはもうどうしようもないです。
そして数々の事件を経て、年も重ねて、変化していく玲子を見ていくのはとても楽しくて嬉しいです。
今回はそんな玲子と日下のやり取りが、私にとって胸アツでした・・・!
この二人の関係性も今後もっと変わっていくのかなと思うと、それもまたさらに楽しみ。
ですが、これからの姫川玲子シリーズは政治の絡んだお話や警察組織の闇を描いていくんでしょうか。
本書ではまた新たなキャラクターも登場し、今後も続けて登場していくであろうことが予想できるのですが
私はそれよりも何よりも、元姫川班の菊田・葉山・湯田・保さんたちとのやり取りやそれぞれの絆を
また大きく熱く感じたくなってきています。
・・・というのはワガママなのかな。汗
【個人的 五つ星評価】
他人事とは思えないほど悲しくて痛くて怖い度 MAX
元姫川班が懐かしい度 MAX
シリーズの中でのおすすめ度 ★★★★☆
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