はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【宮部みゆき 長い長い殺人 あらすじ】
被害者は、森元隆一。
ひき逃げかと思われた思われた事件は、実は凄惨な殺人事件だった。
隆一には八千万円もの保険金が掛けられており、その他にも不審な点があった妻・法子が容疑者として浮かび上がる。
しかし法子には鉄壁なアリバイがあり・・・。
刑事の財布、目撃者の財布、探偵の財布、死者の財布、等々
十の財布が語る事件の裏には、一体どんな真実が隠されていたのか。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇語り手は「財布」
物語は10の章とエピローグで構成されています。
章が変わるたびにメインの登場人物も変わるのですが、視点は「財布」。
持ち主ではなく財布が主人公という斬新さなんです。
初めて読んだのはもう20年以上も前になりますが、この設定にはサクッと掴まれてしまいました。
この発想、とても面白いですよね!
自分では動けない。
そしてたいていは持ち主のバッグやポケットに入れられている。
だから視覚も聴覚も制限されてしまい、自ずと読者に与える情報も制限されてしまうんですね。
ですが。
それを見事に逆手に取る宮部みゆきさん。
さすがです、引き込まれます。
〇十個の財布たち
前述の通り各章でメインとなる登場人物は変わり、事件はどんどん進んで解明されていくのですが
どの章も語り手は財布。
そしてその財布たちもそれぞれ知的レベルや性格、着眼点も話し方も、もう何から何まで違うんです。
まさに十個十色。
なので章が変わるたびに慣れるまで少しだけ、本当に少ーーーしだけかかりますが、読む手は止められませんでした。
私にとっては事件そのものというよりも、この手法と進め方が面白いところでした。
〇最後の展開について
ですが最後の展開に関しては、
えっ・・・(だいぶ絶句)
となってしまいました。汗
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが
読んだことがある方はもちろん、これから読まれる方も読了後には、この言葉だけで何が言いたいのかわかってくださるでしょうし
おそらく多くの方が同意してくださるのではないかと・・・
そして本書には、同じ宮部みゆきさんの『模倣犯』のベースになったのかなと思う箇所もちらほらと見受けられました。
失ったものも亡くなった人ももう戻っては来ないし、過去には絶対に戻れないんだけど
最後の最後の場面には少しほろっと来たりして。
20年以上たっても、何回読んでも、変わらず楽しく読めるお話です。
【個人的 五つ星評価】
設定が面白い度 MAX
最後の展開に絶句度 MAX
自分の財布を思ってしまう度 MAX
価格:733円 |
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