はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【東野圭吾 悪意 あらすじ】
人気作家が殺害され、第一発見者の友人・野々口修が逮捕された。
犯行は認めたものの、彼は頑なにその動機を語ろうとしない。
捜査の結果、野々口の部屋から大量の未発表原稿、被害者の前妻の写真などが見つかり、動機が浮かび上がってくるのだが・・・
それを受けた野々口が手記で表した内容は、これまで「事実である」とされていたものが根底から覆されるものだった。
加賀恭一郎シリーズ第四弾。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇「犯人の手記」という視点
とある作家が自宅で殺害されました。
犯人はすぐに捕まるのですが、その動機を頑なに語ろうとしません。
加賀は独自の粘り強い捜査でそれを明らかにしていくのですが、物語は二転三転していくんですね。
その都度、「事実と思われていたこと」が根底から覆されてしまうんです。
そして本書は、
加賀の視点
野々口修の手記
多くがこの二種類で構成されています。
それぞれが一人称で書かれているだけに、特に野々口修の手記にいたってはすべて本当のことを語っているとは限らないんです。
ここが一番面白いところでした。
そんなん見破れるわけないやん!
となるかもしれませんが・・・
私にとって重要なのはそこではないので(ここは後で触れます)、この手法はかなり面白かったですし、野々口の手記はとても読みやすかったです。
〇加賀の過去
野々口は元教師です。
そして、教師時代の加賀の同僚でもありました。
刑事になる前の加賀が教師をしていたことは以前にも書かれていましたが
本書では加賀の、教師時代のエピソードが詳しく語られているんですね。
加賀がどうして教師を辞めたのか。
これはとても興味深い内容でしたし、加賀の直面した内容については
今現在もこういった問題はなくなっていないんだろうなと
気が重くなってしまいました。
ですがここでもやはり、
刑事である今と変わらず教職に誠実に向き合っていた加賀
それをずっと忘れずに胸に刻んでいる加賀
が、シリーズを通して見てきた加賀恭一郎そのものだなぁと感じて、そこは嬉しかったです。
〇人はなぜ人を殺すのか
そして肝心の、野々口修の動機。
人はなぜ、人を殺すのか。
私は人の内面を描いた小説が好きなので
これはものすごく納得のいく、それでいてものすごく面白く、またものすごく心に残る結末でした。
物語は事態は淡々としていて決して派手さはありませんが、心にどんと重みが伝わる、
加賀恭一郎シリーズの中でもかなりお気に入りの部類に入る作品です。
【個人的 五つ星評価】
加賀の過去が興味深い度 MAX
人の内面を描いている度 MAX
シリーズの中でのおすすめ度 MAX
価格:836円 |
新品価格 |
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