はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【柚木麻子 けむたい後輩 あらすじ】
14歳で作家デビューした栞子は、今もなお文学少女気取りだが
世間知らずの真実子にとっては特別であり、憧れの先輩。
真実子の幼馴染であり美人で頑張り屋の美里は、その二人の関係にイライラしてしまう。
そんな中、栞子の恋人である大学教授が美里に一目ぼれしてしまい・・・
名門女子大を舞台に、女性たちの嫉妬心・優越感・劣等感等を容赦なく描いた物語。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇柚木麻子さんが書く女のコ
本書は
14歳で得た栄光を忘れられない栞子。
持病があり、裕福な家庭で大切に育てられて来た真実子。
真実子の幼馴染で、誰もが認める美人である美里。
この3人が軸となる、大学生活四年間のお話です。
少し前に同じ柚木麻子さんの『終点のあの子』『本屋さんのダイアナ』でも書いたのですが
私は柚木麻子さんが書く女のコ、その女のコが不器用に紡ぐ友情や絆が好きなんだと思います。
それがどんな色であっても。
〇三人三様の女のコたち
栞子は、自分はあなたたちその他大勢とは違う。特別だと思われたい。
斜に構えたポーズで、タバコをくゆらせゆらゆらと生きています。
大きな未来を語るものの、本気で努力もできない、今は何者でもない自分だからこそ、居場所を求めて、認めてほしいと願っている栞子には
「痛い」部分と「痛々しさ」を感じました。
真実子はその栞子の過去と、現在の姿にも憧れ、がむしゃらに崇拝します。
なぜこんなにも一途に思えるのか。
栞子の何が真実子をそこまでさせるのか。
それがいまいちよくわからなかったのですが、これは私が年を取ったからなのかもしれないですね。汗
3人の中では、私は美里が一番好きでした。
美里は誰もが認める美人。
それ故に嫌でも異性の注目を集め、逆恨みされることも少なくないのですが
それを鼻にかけることもなく、幼い頃からたった一つの夢を目指し一直線に突き進んできたハングリー精神の持ち主。
そして栞子を崇拝し、栞子に振り回される真実子を本当に心配しています。
でもちょっと毒舌。
そんな美里はとても魅力的なんですね~。
〇ラストが大好き
そんな3人を軸に書かれた本書。
優越感・劣等感・嫉妬心等がいろいろな色で目まぐるしく入れ替わります。
そんな女性同士の関係は、他人事とは思えませんでした。
認められたくて、居場所が欲しくて。
でも、そこに若さとともに甘酸っぱさが含まれているのでそこまで重苦しくは感じません。
というかリアルなんです。
そして何と言っても、私は本書のラストが大好きです!
もちろんそこに至るまでも面白いのですが、本書を再読する時はいつもいつも
このラストにたどり着くために読んでいるといっても過言ではないくらいです。
【個人的 五つ星評価】
様々な感情が他人事ではない度 MAX
「痛さ」も「痛々しさ」も感じる度 MAX
ラストが大好き度 MAX
価格:638円 |
新品価格 |
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