ネタバレなし 京極夏彦 姑獲鳥の夏(百鬼夜行〈京極堂〉シリーズ)

京極夏彦

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【京極夏彦 姑獲鳥の夏 あらすじ】

二十箇月の間身籠ったままだという、久遠寺医院の娘。

夫は密室から姿を消し、行方不明となっていた。

古本屋の主人であり、また陰陽師である京極堂は医院で頻発する怪事件を紐解きその謎に迫る。

意識、心、脳とはいったいなんなのか。

百鬼夜行(京極堂)シリーズ第一弾。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇個性の強すぎる主要人物たち

本書はもうとにかく、

二十箇月の間身籠ったままの久遠寺医院の娘。

密室から姿を消し、行方不明となっている夫。

この設定だけですぐに掴まれてしまいます。

そして何より、主要な人物たちがまた個性が強すぎて本当に面白いんです。

古本屋の主人であり、神主であり、陰陽師である京極堂(中禅寺秋彦)

その学生時代からの友人で、物書きである関口巽

京極堂・関口の一つ年上で、戦火では関口と同じ部隊にいた、刑事の木場修(木場修太朗)

中でも私が一番好きなのは、

学校では京極堂・関口の一年先輩、そして木場修の幼なじみである榎木津礼次郎です。

旧華族の家柄に生まれ、天真爛漫で破天荒で、探偵である榎木津

「商才はあるが変人」だとされている父から「変人」だけを受け継いだと言われている彼が、私は大好きなんですね~。笑

そしてその父も、大好きです。

〇時代背景

舞台は戦後、昭和二十年代です。

私は頭の中で映像化して読むタイプなので、ファンタジーや時代物はあまり好んで読みません。

その理由は、それらが想像しにくいからだと思うんですね。

本来であれば、この百鬼夜行(京極堂)シリーズの舞台となるこの時代のものも、私にとっては読みづらい部類に入りそうなんですが・・・

面白すぎてそんなこと関係ない。

夢中で読めてしまうんです。

頭の中での映像化も難なくできてしまいました。

〇面白さの厚み

本書は序盤から、いきなり京極堂関口の会話でくじけそうになります。

だって京極堂の話していることが難しくて。汗

しかも長い。汗

おそらく関口はこの世界と読者の橋渡し的存在だとは思うのですが、

私なんかよりもはるかに頭が切れるんです。

関口京極堂の言うことをちゃんと理解して、会話になっているからすごい。

とは言え、全く理解できないかと言われれば全然そんなことはないので

ここはぜひ乗り越えてほしいです。

ここが全部、ちゃんと繋がっていきますから!

こちらから見ればよくわからないことが多く穴だらけだった事件の全貌がひとつずつ埋まっていく、

その順番にも、そのペースにも、最後まで掴まれっぱなしでした。

〇百鬼夜行(京極堂)シリーズの世界

そして内容はもちろんですが

時代設定

個性爆発の主要人物たち

京極夏彦さんの文章、表現の仕方

それらすべてが合わさって、唯一無二の世界観が作られている百鬼夜行(京極堂)シリーズです。

ハマったらもう抜けられません。

文庫本で621ページと、シリーズの中では群を抜いて短い本書。

ここから『魍魎の匣』『狂骨の夢』『鉄鼠の檻』『絡新婦の理』・・・と続いていくのですが

次第にページ数も増え、

もうこれは箱やん!!嬉

という厚みになっていきます。笑

これがまた嬉しくも楽しくもあるので、引き続き上げていきますね。

【個人的 五つ星評価】

世界観にハマる度      MAX

主要人物にハマる度     MAX

シリーズの中でのおすすめ度 MAX

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感想(21件)

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