ネタバレなし 山本文緒 眠れるラプンツェル

山本文緒

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【山本文緒 眠れるラプンツェル あらすじ】

暇だった昨日。

そして明日も、明後日も、変わらない毎日を過ごしていく。

結婚6年目、専業主婦、子供のいない汐美にとって、退屈な暮らしは平和で幸せなものだった。

しかし、多忙でめったに家に帰らない夫が猫を連れ帰り、

日中には隣家の息子が転がり込むようになってから、何かが崩れ始めていく。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇私的「山本文緒さん三体作品」

私にとって本書は、『恋愛中毒』『群青の夜の羽毛布』と並ぶ「山本文緒さん三大作品」のひとつです。

どれもかなりパンチの効いた作品なんですが、それだけじゃないところが魅力なんですね。

山本文緒さん『ブルーもしくはブルー』などでもそうでしたが、こういうなんとも言えない閉塞感というか

どうしようもない感情を書くのがとてもお上手です。

本書は読んでいて、本当に心が痛くなりました。

でも痛いだけではなく、どこか少し温かい気持ちにもなる。

そんなすごく不思議な感情を抱きながら読み進めたお話です。

〇主人公・汐美について

主人公の汐美については、

汐美はこれで平気なのかな。

と疑問にも思うし、序盤においては共感もへったくれもないのですが・・・

やはり山本文緒さんは、

多分たくさんの人が感じているけれど、日常に埋もれてしまってなかなか言葉にできないような思い

を代弁してくれる作家さんだなぁと感じます。

抱えている空虚な気持ち。

平気だと思っていたのに、実感してしまった温かさ。

汐美の変化に気付き、思わず目頭が熱くなります。

ご近所・人との関係も希薄になってしまう時代です。

私もベタベタしたお付き合いは苦手ですが、

でも、本当の一人は嫌だし、寂しさだってある。

そういう気持ちはとてもよくわかるんですね。

そしてふとした時に心を灯してくれる人の温かさ、その模写は、読んでいるこちらの心も灯してくしてくれました。

特に終盤は驚く展開にはなりますが、

汐美の本当にピュアな気持ちがわかり、切なくてたまらなかったです。

〇だから山本文緒さんが好き。

汐美はこれで平気なのかな。

先ほど書いたこの疑問。

これに対して汐美がどのように考え、どう考えたのか。

これには心がえぐられるような、でも決して不快ではない気持ちにさせられました。

なんでこんな気持ちを表現できるんだろう

と思うと同時に、

いやでも、すごくわかる気がする・・・!

と思わせてくれる山本文緒さん

だから大好きなんです。

【個人的 五つ星評価】

山本文緒さんの魅力を感じる度 MAX

不思議な共感が得られる度   ★★★★★

主人公の未来を思う度     ★★★★★

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感想(14件)

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