ネタバレなし 東野圭吾 沈黙のパレード(ガリレオシリーズ)

東野圭吾

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【東野圭吾 沈黙のパレード あらすじ】

3年前に東京で失踪した若い女性・並木佐織の遺体が、静岡県のごみ屋敷の焼け跡から発見された。

逮捕されたのは、23年前に少女殺害事件で逮捕されたものの、黙秘を貫き無罪になった男・蓮沼だった。

蓮沼は今回も証拠不十分で釈放されてしまう。

しかし、佐織が住んでいた町の毎年恒例のパレード当日、蓮沼は殺された。

容疑者は、佐織を愛したすべての人々。

23年前の事件、そして佐織の事件も担当していた草薙はこの事件にどう挑むのか。

また、天才物理学者・湯川は、容疑者たちの「沈黙」をどう解き明かすのか。

ガリレオシリーズ第九弾。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇佐織の事件について。

東野圭吾さんの書く文章は相変わらずとても読みやすく、1ページ目からスッと引き込まれてしまいます。

また、これは毎回思うことですが

東野圭吾さんはカードを切るタイミングが絶妙に上手い!

だから続きが気になって止まらなくなってしまうんですね。

本書も、佐織の周りの人々だけでなく、様々な登場人物の心理模写にどんどん引き込まれていきました。

そして本書の主軸となる佐織殺害事件ですが・・・

私には、序盤の佐織の模写と、真実が明らかになる時の佐織の模写がどうも同一人物には思えず、違和感を覚えずにはいられませんでした。

ですが、人間は誰しもいろんな側面を持っているものですし・・・

こんなものなのかもしれませんね。

それでも、それを差し引いてみても、佐織殺害事件は私にとって釈然としない、モヤモヤした思いが残るものでした。

ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、

おそらく、私と同じように感じる方はいらっしゃるのではないかなと思います。

〇草薙と湯川、二人の思いと関係性。そして内海刑事。

本書では草薙は係長、湯川は教授になっています。

そして、23年前と今回。

二度も蓮沼を有罪にできなかった草薙の無念さや葛藤には胸が痛くなりました。

刑事として、草薙が事件や遺族にどう向き合うのか。

これは本書の大きな見どころです。

そんな草薙の思いを汲んだ湯川の言動、そして湯川草薙への思い。

私はこのブログで何度も

『容疑者Xの献身』以降の湯川の人間性

について書いてきました。

なので湯川にとって、

『容疑者Xの献身』で起こった事件を経験したことがどれほど大きなものだったのか

ということが書かれていたことは、シリーズファンとしてとても嬉しい、熱くなる部分でした。

前作『禁断の魔術』の最後に渡米し、今作で日本に戻ってきた湯川

今までよりも少し丸く、柔らかくなったのかなと思います。

そのせいか、今回の事件に対する湯川のスタンスは今までにないものでした。

内海刑事湯川の関係性も、信頼関係が出来上がっていて温かく、安心して読むことができます。

ですが今回、湯川と二人でいる場面だけ内海刑事の表記が「薫」となっていました。

その他の場面では「内海薫」と表記されているため、これは何か意味があるのかなと思うのですが・・・

どうなんでしょうか。

〇映像化について。

2022年9月に映画が公開されることが決定した本書。

単行本が出て、最初に読んだときに

これは映像化に向いてそう

と思ったことを思い出しました。

私は頭の中で映像化しながら本を読むタイプなんですが、なぜか

湯川=福山雅治さんのイメージはそれほど濃くなく、

草薙=北村一輝さん内海=柴咲コウさんは勝手に脳内で映像化されるんですね。

ですが本書は、湯川=福山雅治さんということを東野圭吾さんが強く意識して書かれたような、そんな印象を受けました。

要所要所でそんな場面が出てきます。

そして脇を固める俳優さんたちも椎名桔平さん、檀れいさん、吉田羊さん、飯尾和樹さん、戸田菜穂さん、田口浩正さんと名優揃いです。

パレードがどんな風に映像化されるのかも楽しみなところ。

派手で華やかな映像を期待しています。

【個人的 五つ星評価】

湯川と草薙の関係に胸が熱くなる度 MAX

映像化に期待度(2022・7時点)  ★★★★★

シリーズの中でのおすすめ度    ★★★★☆

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感想(28件)

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