ネタバレなし 今邑彩 つきまとわれて

今邑彩

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に、

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【今邑彩 つきまとわれて 概要】

別れても、見えない細い糸で繋がっている。

結婚をためらう姉。

その理由は、別れた男からの嫌がらせの手紙だというのだが・・・

表題作をはじめ、

幼い頃に家を出ていった母にまつわる奇妙な記憶を辿っていく「帰り花」

とある画家が描いた絵に隠された秘密を明らかにしていく「吾子の肖像」

近隣住人の不思議な力の謎を解き明かす「お告げ」

等々

全部で8編からなる短編集です。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇まとまりのある短編集

8編のお話はそれぞれのテーマの違う短編ですが、ある短編の登場人物が他の短編にも登場したり

ある短編のエピソードが他の短編でさりげなく語られていたりと、

少しずつですが繋がりがあるため、「ひとつの世界」のような印象になっています。

また、

ここがこう繋がってたのか!

と、お話を超えてそんな部分を見つけるのも楽しかったりするんですね。

〇『つきまとわれて』の世界観

『人影花』『よもつひらさか』のブログでも書いてきましたが、今邑彩さんの作品は独特で、文章には湿度を感じます。

これは文章から来るものなのか、その世界観から来るものなのか、そのどちらもなのか

それはよくわからないのですが

とにかくとても湿度が高い印象なんですね。

そして、今回もそれは健在です。

以前のブログで、『人影花』『よもつひらさか』は、世にも奇妙な物語を好きな方にはとてもおすすめの短編集だと書きました。

それらに比べると、本書はその要素は少し少なめ。

切なさや温かさも感じさせる短編集となっています。

単行本が発売されたのが1996年ということで、ところどころ時代を感じる箇所はあるものの

全体的にとても読みやすいです。

〇各話について

ぞれぞれ40ページ程度の、全部で8編の短編。

中でも私のお気に入りは

表題作である「つきまとわれて」

幼い頃に家を出ていった母にまつわる奇妙な記憶を辿っていく「帰り花」

バーで出会った男が話し出した、パソコン内での結婚生活の顛末「逢ふを待つ間に」

生霊騒ぎの真相を解くとともに、意外なことが書かれていた「生霊」

特に「生霊」は、この短編集の最後を飾るのにふさわしいお話だと思います。

そして各話の私的評価は以下の通りです。

お前が犯人だ  ★★★★☆

帰り花     ★★★★★

つきまとわれて ★★★★★

六月の花嫁   ★★★☆☆

吾子の肖像   ★★★☆☆

お告げ     ★★★☆☆

逢ふを待つ間に ★★★★★

生霊      ★★★★★

【個人的 五つ星評価】

湿度を感じる度            ★★★★★ 

そんな中にも切なさや温かさを感じる度 ★★★★★

読みやすい度             MAX

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