はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
湊かなえ 夜行観覧車 あらすじ
高級住宅地に住むエリート一家で殺人事件が起きた。
被害者は父親。
加害者は、母親。
真向かいに住む家族、近隣住民、そしてエリート一家の残された子供達・・・
それぞれの視点で見えていたものが合わさった時、事実は明らかになる。
「真実」とは、一体何か・・・
ネタバレなし 感想と考察
〇親子という関係
本書を読んで、私は心が痛かったです。
とくに「ある親子」の関係性が、まったくの他人事には思えなかったから。
親子だってこじれる。
思ってもいないことを「こう思っているはずだ」と相手に思い込まれ、どうしようもないことになることもある。
どこで間違ったのか
どうすれば良かったのか
わからない。
きっと、怒っている側にだってこれはわからない。
そして怒っている側も本当は苦しんでいること。
ただの反抗ではないこと。
私は我が子がこのようになった時に、理解することができるのだろうかと怖くなりました。
端から見ればこの親子は双方ともにめちゃくちゃです。
ですが、お互いに必死です。
どうすれば大きくこじれずに生きていけるのか。
決して全くの他人事ではないように思うのです。
これは夫婦関係にも同じことが言えると思いますし、
「親子」「家族」は逃げられない分難しい。
遠慮もなければ思いもあるので、さらに難しいんですねきっと。
それでも結局は、家の中のことは外の人にはわかりません。
どれだけ言葉を尽くして伝えても、完璧には伝わらないんです。
だからこそ、痛みや喜びを分かり合えるのも「親子」「家族」なんだと
そういられればいいのになと思いました。
〇湊かなえさんが書く「人の心の中」
登場人物はみんな、それはそれは勝手な思いを持っていて、身勝手な行動をとります。
さすが湊かなえさん、ドロッとしたものを突き付けてくるなぁと思います。
人間ってこんなに勝手なものなんでしょうか。
と、本書を読んでいて感じましたが
結局はみんな真剣に生きていて、自分が「正しい」と思ったことを信じて行動しているだけなのかもしれないですね。
もしかしたら、現実世界でもみんなそれは同じで、自分自身もそうなのかもしれません。
「正しい」と思っていても、端から見れば身勝手なのかもしれない。
そう思うと少し怖くもありますが・・・
そんな中にもきれいな繋がりだってたくさんある。
そんな風にも思うんです。
〇「真実」とは何か
「事実」と「真実」って、同じようで微妙に違う気がします。
辞書で引いてみると
事実・・・本当にあった事柄
真実・・・嘘や飾り気のないこと。まこと。本当。
と載っていました。
これは私の解釈ですが、目に見えて、誰の目にも明らかなのが「事実」
その中でそれぞれの解釈があって、人によって何通りもあるものが「真実」なのかなと。
間違っていたらすみません汗
でもそう考えると、「真実」っていったい何なんでしょうか。
そんなことを考えさせられた一冊でした。
個人的 五つ星評価
湊かなえさん作品の中でのイヤミス度★★★★★
「家族」「親子」について考える度 ★★★★★
最後の意外度 ★★★★☆
価格:712円 |
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