はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
山本文緒 自転しながら公転する あらすじ
32歳の都は、更年期障害を抱えた母のために、茨城県にある実家に戻ってきた。
アウトレットモールで契約社員として働く都は、そこで貫一と出会う。
実家の状況と経済的に不安定な彼
都は自分がどうしたいのか、自分の気持ちがわからないでいた。
仕事、家族のこと、そして恋愛もして、自分の将来のことも考える。
そんな器用なことができるものなのか。
都が選んだ道とは…
ネタバレなし 感想と考察
〇大人は求められることが多い。
あらすじにも書いていても感じたことですが、大人って求められることが多いなぁ…と感じました。
仕事と一言で言っても、ただ業務だけをこなしていればいいわけではないし、そこにはいろいろな人間関係やバランス感覚も求められる。
「大人として」普通のことも求められる。
家族だって人間関係。
将来のことも考えて行かないと…
という中で、周りの友人とも比較してしまって、自分が情けなく思えたりもする。
同性同士の関係だって難しい。
そんなに器用にいろいろできひんわ!と思ってしまいますよね。
上手く行かないと、「みんなできてるのに自分だけができていない人間」のように感じてしまったりすることもあるんですが…これって私だけじゃないですよね??汗
みんな一生懸命生きてるんだな、自分だけじゃないんだなと思うと、少し楽になれる気がします。
〇家族だからこそ難しい
「家族だからこそ相手を思う気持ち」ってあると思うんです。
家族だから遠慮もなければ、人一倍相手を思ったり、逆に疎ましかったりもする。
かけてもらえる言葉だってあるけど、遠慮がない分ぶつかり合ったりもする。
それでも逃げ場はない。
家族だから。
これは読んでいて心苦しく思う部分でもありました。
でも、親の愛にも気付きます。
親の愛の形。
それだって、受け手である子供の状況・立場によって変わっていくんだなぁと。
それでも愛されていることには変わりはない。
愛しているからこそ、愛の形が変わることもある。
こう思えたことは、二人の子を持つ私にとってとても大きなことでした。
〇エピローグとプロローグ
読み進めていく中で、このエピローグとプロローグって必要なん??と思っていたのですが…
読み終えた後に思いました。
これは必要です!
これがあるからこそ、読んでいく中で心が揺さぶられるところがたくさんあるんです。
これもそこまで想定して書かれているんでしょうか…。
やっぱり山本文緒さんはすごいです。
〇私が大きく感じたこと
私はもうアラフォーなので、都の両親にも感情移入するところが多々ありました。
今あるものが決して当たり前じゃないということ
人間はいくつになっても変われるということ
そして
行き詰ったとしても、変化していけば突破口は見つかるんじゃないか、ということ。
この年齢になると、なんだかあらかた先が見えてきたようにも思っていたのですが、
まだまだ先はわからない。
良くも悪くも、まだまだこれからだっていろいろあるんだよ~と、山本文緒さんに気付かせてもらった気がします。
ですがもっと若い時に読んでいたら、また感じ方は違ったかもしれません。
読むタイミングでも感じ方は変わるだろうし、そういう意味では何度でも楽しめるお話だなと思いました。
個人的 五つ星評価
人生を考える度 MAX
もう一度読みたい度 ★★★★★
山本文緒さん「らしさ」度 ★★★★★
価格:1,980円 |
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