ネタバレなし 芦沢央 バック・ステージ

芦沢央

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【芦沢央 バック・ステージ 概要】

パワハラ上司の不正をつかみたい先輩社員・康子に巻き込まれ、その片棒を担ぐハメになってしまった新入社員・松尾

2人紆余曲折の末に辿り着いたのは、自社がプロモーションする開演直前の舞台だった。

劇場の周辺では息子の噓に悩むシングルマザーや脅迫状が届けられた役者など、4つもの事件が起きていた。

それぞれは全くの無関係なはずなのに、康子たちの行動により少しずつ繋がっていき・・・

バラバラのピースが予測不能のラストに繋がっていく。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇続きが気になる連作短編集

パワハラ上司・澤口の不正の証拠をつかみ、告発する。

そのために動き出す康子と、なかば巻き込まれた形の後輩・松尾

序幕はここから始まり、このお話を主軸に物語は進んでいきます。

この序幕、盛り上がってきたところで一旦ぷつんと場面が第1幕に切り替わるため、ちょっとパニックになりました。

続きはー!?この続き!!早く!

的な。笑

この後、

第1幕、第2幕、

幕間

第3幕、第4幕、

終幕

カーテンコール

と続く連作短編集です。

1幕~4幕はそれぞれ独立したお話でありながら、主軸である康子松尾のお話と少しづつ関わりがあり

幕間、終幕、カーテンコールはその「軸」のお話が進んでいきます。

〇第1幕 息子の親友

シングルで息子2人を育てている母親。

子供たちを思い、大切にしているが故の心配と葛藤には同じ母親として胸が詰まる思いでした。

自他ともに認める心配性の私ですら

それはちょっと考えすぎじゃない・・・?

と思うところもありましたが、これは客観的に見ているから思えることなんですよねきっと。

芦沢央さんの書くこの手のお話は、やっぱりザクザク刺さりながらもグッときます。

〇第2幕 始まるまで、あと5分

中学時代の同級生と再会した奥田は、共通の趣味を通じて彼女と仲良くなり思いの丈を打ち明けるのですが・・・

彼女の行動の数々、恋する奥田のヤキモキした思いの結末が・・・なんとも!

一番好みのお話でした。

そして、幕間で主軸のお話はさらに進み・・・

〇第3幕 舞台裏の覚悟

チケットは取れない、役者なら誰もが出演したいと願う、嶋田が演出する舞台。

本書のもう一つの軸となるその嶋田舞台に初めて抜擢された俳優、川合だったのですが・・・。

初日を迎えたその日の楽屋に、その川合の元に脅迫状が届きました。

犯人は誰か。目的は何なのか。

そして脅迫状に屈してしまえば舞台は台無しになってしまう。

葛藤の末に川合が辿り着いた真実には、驚愕。

そして何故かスッキリしました。

〇第4幕 千賀稚子にはかなわない

川合と同じ舞台に立つ、大御所女優の千賀稚子

そして長年彼女を支え、共に戦ってきたマネージャー・信田篤子

篤子には稚子に話せない大きな心配事がありました。

篤子の心の動きはとてもわかりやすくて、だからこそ胸が痛くなります。

でも、こんなにもプライドを持ってできる仕事、相手を想える関係性があることがすごく羨ましかったかな。

ラストの決断にはじんわり来ました。

〇終幕からカーテンコールへ

そしてパワハラ上司・澤口の一件は第4幕から大きく動き、こちらも意外な形で決着します。

ここではすごくワクワクして・・・!

最後のカーテンコールは本当に、その名にふさわしいラストでした。

〇結果、素晴らしい・・・!

第1幕~第4幕はそれぞれ独立したお話なのでそれだけでも楽しめますが、

各章(幕)が少しづつ主軸のお話と関わっているところ発見するたびに嬉しくなったり

舞台の裏側を覗いているような気分にもなり、全体を通して楽しく読めました。

康子のキャラも面白くていい!

私は芦沢央さんが大好きなので、このブログにも感想をいくつか書いてきましたが

その度に

文字や文章が心をサクサク、ザクザク切り付けてくるような感じ

と書いてきたんですね。

(特に「罪の余白」「悪いものが、来ませんように」「いつかの人質」「貘の耳たぶ」等)

今でも芦沢央さんといえばその印象がすごく強いし、だからこそ大好き!

なんですが、本書はそれらに比べるとマイルド。

こういう芦沢央さんもいいですね!

何より序幕と終幕が書き下ろしだったことに、

それでこの完成度!

と驚きです。素晴らしい~!

【個人的 五つ星評価】

続きがめっちゃ気になるやん度     MAX

今回は比較的マイルド芦沢央さん。度  MAX

書き下ろし部分に驚く!度       MAX

 

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