ネタバレなし 五十嵐貴久 交渉人・遠野麻衣子

五十嵐貴久

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

スポンサーリンク

【五十嵐貴久 交渉人・遠野麻衣子 あらすじ】

三人組の強盗が病院に押し入り、患者たちを盾に立て籠もった。

交渉人・石田が到着するまでの間、交渉を任されたのは、石田の元部下・遠野麻衣子だった。

交渉の武器は一台の電話のみ。

逆上する犯人との困難な交渉。時を一刻を争う。

ラストに暴かれる、衝撃の真実と真犯人とは。

ベストセラー『交渉人』が、大幅改稿と改題の上、完全復活!

【ネタバレなし 感想と考察】

〇人気シリーズの復刊

『交渉人・遠野麻衣子』

このタイトルと五十嵐貴久さん作品、ということで気になってはいたのですが、「待望の復刊」「シリーズ物」ということで、そこから読んでいいのかわからず・・・

でも、こちらが第一弾だったんですね!

そして本書を始めとして、シリーズ3作品が3カ月連続で復刊されるとのこと。

この情報を聞いて

もうこれは買うしかないやろーー!!

と思って購入しちゃいました。

本書の発売は2023年6月。

続いて7月に『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』、8月に『交渉人・遠野麻衣子 籠城』が発売され、さらには9月に単行本『交渉人・遠野麻衣子 ゼロ』が発売されるようです。

本書であまりのスピーディーさと面白さにハマってしまった私。(2023年8月現在)

場所の問題。金銭的問題。諸々で基本文庫派やのに・・・

こうなったら引き続き復刊シリーズを読破して、単行本『交渉人・遠野麻衣子 ゼロ』をいきなり買いに走る予感しかないです。

文庫化までなんか待たれへーんやぁーん!!

〇交渉人というプロフェッショナル

お話は、主人公・遠野麻衣子が交渉人=ネゴシエーターの講習を受けていた頃(プロローグ)から始まり、

続く1章では、コンビニ強盗が深夜の病院に立て籠もる。

そのスピード感で、早くも掴まれてしまいます。

交渉人、ネゴシエーターとは。

私の中では、話術に長けていて、積極的に説得して犯人を誘導するというイメージでした。

ですが!

そのイメージは完全に崩れ去りました。

ここで詳しく書くと面白さが半減してしまうので割愛しますが、

交渉人としてのセオリー、やってはいけないことがまぁ難しすぎる・・・

これはプロフェッショナルな仕事やわ!!

とても勉強になり、興味深かったです。

今回現場を指揮するのは、麻衣子に交渉人としてのノウハウを教え込んだ元上司・石田

犯人たちの言い分、調子乗り具合にはイライラする部分もありましたが笑、

石田の交渉人としての顔、現場を指揮する顔の振り幅がカッコ良いんですね~。

ハラハラする展開の中、石田に教育を受けた麻衣子の能力も素晴らしく、そのキャラクターの凛々しさにも惹かれます。

〇圧倒されるラスト

そして、終盤の展開はさらにスピーディーで目が離せない。

いい頃合いで切り上げて寝ようと思っていたのに、一気に最後まで読んでしまったではないですか!(読了したのは朝の5時。どんだけ)

犯人の動機には、心がギリギリするくらい痛くて

1行1行噛みしめるように、感情を抑えながら読むのに必死でした。

「動機はこれでした」

と単純に終わることではなく、

その方法を選んだ犯人も、同じ人間。

今までの人生があって、生活があって、その方法を選んでしまうまでの心の流れもあって。

それが心になだれ込んでくるようで、五十嵐貴久さんの筆力に圧倒されてしまいました。

さらに、これは誰にとっても他人事ではない。

微力でも何かできることはないのかと、考えずにはいられませんでした。

〇私にとって五十嵐貴久さんとは

巻末には、

「本書は2006年に幻冬舎文庫として刊行された『交渉人』を、大幅改定した上で改題したものです」

とあり、

シリーズの復刊については、五十嵐貴久さんが「作家の2010年問題」として、あとがきで詳細を書かれています。

リカシリーズでもそうですが、五十嵐貴久さんはあとがきでご自身のこと、思いを綴ってくださるので、勝手に少し身近に感じてしまうというか・・・

作家さんって遠い存在だけど、時間と心と信念を込めて作品を作り上げて、私たちにそれを届けてくださる、私たちと同じ人間なんだなと

当たり前なんだけど、そんなことに気付かせてくださいます。

この、「作家にとっての2010年問題」を読んだ時には、ご自身の作品への思いと、またさらなる楽しみを届けてくださるであろうそのお気持ちに、言いようのない温かさを感じました。

私は元の作品を読まずに本書を手にしたため、どこが改稿されているのかはまったくわからないのですが、

何も考えずに読んで大丈夫。

何も違和感なく入り込んで楽しめたので、本シリーズ初心者の方にもぜひ!おすすめです。

【個人的 五つ星評価】

新たにお気に入りシリーズを見つけた!度 MAX

文庫派やのに単行本買いそうな勢い度   MAX

五十嵐貴久さんが温かい度        MAX

コメント

タイトルとURLをコピーしました