ネタバレなし 藤崎翔 モノマネ芸人、死体を埋める

藤崎翔

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【藤崎翔 モノマネ芸人、死体を埋める あらすじ】

往年の名投手・竹下竜司のモノマネ一本で生計を立てている、モノマネ芸人・マネ下竜司こと関野浩樹。

竹下本人にも気に入られ、酒のお供をすればお小遣いをもらえたりと、順風満帆な芸人生活を送っていた。

・・・はずだった!!

が、竹下が殺人を犯してしまい、罪が露呈してしまえば自身も失業という窮地に。

追い詰められた浩樹は、覚悟を決めスコップを握った。

【ネタバレなし 感想と考察】

〇発売が待ち遠しかった。

本書は私にとって3つめの藤崎翔さん作品。

発売日を知ってから、楽しみでしょうがなかった作品です。

もう、あらすじを読む+藤崎翔さん作品っていうだけですでに面白い。

なんじゃこの状況ぉー!

タイトルが剛速球の直球なことも、清々しくてめっちゃ笑ける。笑

楽しみ!の一色でした。

〇藤崎翔さん作品の面白さ。

まず、マネ下竜司こと関野浩樹のモノマネ芸人としての立ち位置、日常が描かれていくのですが、もうこれだけで興味深くて面白いんですね~。

やっぱり私にとって、藤崎翔さんの大きな魅力のひとつはここですね。

事件やトリックそのものは言うまでもないですが、登場人物の生活をそのまま覗いている気がして、それが面白くてずっと読んでいたくなる。

『逆転美人』ではメインの手記。

『指名手配作家』では主人公の逃亡生活(日常)。

そして本書では、浩樹の芸人生活(日常)。

が、そうでした。

お笑い好きな私にとっては、モノマネ芸人たちの裏側や会話が見られて、リアルに感じられたのも嬉しいところ。

ここは元芸人さんの藤崎翔さんならではなのかなぁと思います。

数々のモノマネ芸人たちの芸名なんかもう・・・

なんでこんなに思い付くの!?っていうくらい面白いんですよ・・・!

次から次に出てきてくれるので楽しい。

会話やその裏舞台の模写から、映像が勝手に浮かんできてしまうくらいでした。

初めて読んだ『逆転美人』からずっと思ってたけど、

私、藤崎翔さんの笑いのセンス好きやなぁ・・・!

内容はシリアスなのに、笑けてしまう。

重く感じさせないのはさすがですね。

〇なぜそうでなければならなかったのか

そして、肝心の事件について。

専業モノマネ芸人にとって、ご本人さんの犯罪、しかも殺人なんて死活問題。

→わかる。

パニック。

→わかる。

そんな中、選択肢が数個浮かぶ。

→わかる。

結果埋める。

→うっそぉぉぉーん!

あらすじを読んでわかっていても、こう思わずにはいられませんでしたよね。

でも、一言で「埋める」と言ってもそう簡単なものじゃなく・・・

ここでは、浩樹ご本人・竹下の関係性だとか、ふたりの人となりがすごく生きていました。

これ、藤崎翔さんの作品を読んでいていつも思うんですが

登場人物のキャラクターと言動がちゃんと一貫していて、

なぜそうなったのか

なぜそうでなければならなかったのか

というところも説得力があって納得できるんです。

事件(隠蔽)後もずっと、それぞれの登場人物のキャラクターがその人である故の行動を起こすことで、全部が絡み合って進んでいく。

これがめっちゃ上手いんです!

〇全体の面白さと、ラストの余韻

そして人間の狡さ、弱さも描きながら温かさも感じさせてくれる。

浩樹竹下の犯行が見つかってしまうのか、どうなるのか、というハラハラもあり、

そういった人間ドラマもあり、

シリアスな内容なのにコミカルに書かれていて、時々笑ける。

感情が忙しいったらない。

・・・これ、すごくないですか???

さらに終盤の怒涛の伏線回収も圧巻でした。

人ってそう単純じゃないですもんね。

いろんな瞬間があって、いろんな顔を持ってます。

また、当事者になってみないとわからないこともたくさんある。

ラストはじーんわりと心に染み込むようで、考えさせられました。

【個人的 五つ星評価】

藤崎翔さんの笑いのセンスが好き度 MAX

芸人さんの裏側が面白い度     MAX

感情が忙しくて楽しい度      MAX

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