はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【今村夏子 星の子 あらすじ】
出生直後から病弱だった、林ちひろ・中学3年生。
両親はそんなちひろを救いたい一心で「あやしい宗教」にのめり込んでしまう。
やがてその信仰は、少しずつ家族のカタチを歪めていき・・・
【ネタバレなし 感想と考察】
〇今村夏子さん作品2冊め
『むらさきのスカートの女』とその文庫版に掲載されていたエッセイを拝読し、今村夏子さんの世界にハマったのは少し前。
本書は私にとって2冊目の今村夏子さん作品です。
まず、やっぱり今村夏子さんの書く文章は淡々としているのに吸引力がものすごい!
私にはものすごく合ってる!
相性が抜群な気がするんですよね。
大きな何かが起こるわけではないけれど、不思議な魅力に掴まれてグイグイ読めてしまうんです。
〇信じるもの。心の支え。励み。
現実世界でも、某事件により新興宗教の二世が話題となりました。
娘のちひろを思うが故に、新興宗教にハマっていった両親。
そこで育ったちひろと姉。
外から見ればある種異様であることは間違いないんだけれど、私が思っていたよりも、内から見ればそれは意外と普通の日常なんだと思い、それが衝撃的でした。
娘を助けたくて縋ったもの。
それで娘は健康になり、幸せに暮らしている。
その事実があれば(それが本当だと信じていれば)、もう信仰を手放すことはもはや恐怖かもしれないですよね。
それでも、子供は成長し、外の世界に触れ、その世界を広げていきます。
ほんのりと疑問を感じてはいるけれど、そもそもは自分のためにと始まった信仰。
中学生のちひろにとって、やっぱり両親、家族という存在は大きい。
そのちひろの模写には、たまらなくなってしまうところがありました。
特に両親が外の人からどう見えているか、というところなんかはもう・・・
でも考えてみれば、誰だって心の支えや励みになるものが必要な訳で。
例えば私にとってのそれは、読書の世界・好きなサッカーチームの応援・推し活等々になるんですが、
その対象はまさに千差万別で、その存在によって救われることはあるんですよね。
それ自体は誰に何を言われることでもない訳で・・・結局は程度の問題なのかな・・・
家族みんなが救われていて、それを信じられているなら幸せなのか
とか
だけどいくら家族とはいえ別々の人間だから、まったく同じ思いを持つことも、その思いが「何も変わらない」なんてこともあり得ないんじゃないか
とか
いろいろ考えながら読み進めました。
難しいですよね、本当に。
〇今村夏子さんの世界は・・・
そして特に。
終盤は不穏な雰囲気もあり、心がざわざわする。
ラストを自分なりに、割と決めつけに近い感じで想像したものの、それはまっっっったくのハズレで笑
ちょっと恥ずかしかったではないですか笑
やっぱり今村夏子さん。
そんな簡単には先を読ませてくれませんね。
でもこのラスト。
どう捉えるのが正解なのかはまだわかりません。
捉え方も感想も、立ち位置、環境によって全然違ったりするんだろうなと思うので、読了された方とお話してみたいですね~。
また、文庫版には今村夏子さんと小川洋子さんの対談も掲載されているのですが
うん。やっぱり今村夏子さん好きやわぁ私。
その「らしさ」が作品にも溢れているからこそ私にはすごく合うんだろうなと、改めて感じた本書でした。
【個人的 五つ星評価】
ものすごく考えてしまう度 MAX
簡単には先が読めない度 MAX
やっぱり今村夏子さんが好き!度 MAX
価格:682円 |
新品価格 |
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