はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【原田ひ香 三千円の使いかた あらすじ】
就職をし、ひとり暮らしを始めた美帆(貯金三十万円)。
結婚前は証券会社に勤めていた、姉・真帆(貯金六百万円)。
習い事を楽しむ等、向上心が高い母・智子(貯金百万円弱)。
そして、一千万円を貯めた祖母・琴子。
御厨家の女性たちはその人生において、お金をどう貯め、どう使うのか。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇共感できる世代の幅広さ
本書は私にとって初めての原田ひ香さん作品。
正直読んでいて心が痛いほどに、恥ずかしいほどに、お金に対していかに自分が何も考えていなかったがわかりました。
御厨家の娘たち美帆・真帆二十代(未婚と既婚)、母・智子五十代、祖母・琴子七十代
を軸に書かれているので、本書に共感できる年代も幅広いのではないかと思います。
私はちょうど娘たち世代と母世代の間の世代なのですが、母・智子と祖母・琴子が直面している問題には心がぎゅっとなりました。
智子には近い未来を思い、琴子にはもっともっと先の、見えない不安を感じてしまったり。
第一話の主人公は娘・美帆です。
もうここからいきなりグッと引き込まれました。
あ、やっぱり私お金のことちゃんと考えてなさすぎるかも・・・
もっと考えるべきなんかも・・・怖い。
でもどこから始めたらいい??
となる。
ということで今回は、各話について個人的五つ星評価と共に書いていきますね。
〇第一話・三千円の使いかた(美帆)★★★★★
仕事をして、念願の一人暮らしを始めた美帆。
そこでお金に関するシビアな現実に直面します。
美帆の気付きにはハッとさせられました。
早く続きが読みたくなる第一話です。
〇第二話・七十三歳のハローワーク(琴子)★★★★★
琴子は第一話・美帆の祖母、七十代です。
先のことを考えると不安もあり、このままでいいのかと悩むのですが・・・
温かい出会いもあり、ラストにはじんと来ました。
〇第三話・目指せ!貯金一千万!(真帆)★★★★☆
真帆は第一話・美帆の姉。
夫と娘が一人いる主婦です。
家族との夢のために節約し、お金を貯めているのだけど・・・
真帆の葛藤には、同じ女性としていろいろと考えてしまいました。
こちらはラストにうるっと来てしまいます。
〇第四話・費用対効果(小森安生)★★★★☆
安生は琴子の、年の離れた友人。
もうすぐ四十代を迎えます。
この第四話と、琴子目線で書かれている第二話とでは安生の印象はガラッと変わり、ちょっとびっくりしました。
意外過ぎる展開には夢中になりましたが
え。大丈夫なん・・・汗
というのが、正直なところです。
〇第五話・熟年離婚の経済学(智子)★★★★☆
智子は第一話・美帆の母、五十代です。
この年齢ならではなのかな・・・と思う不満、不安が書かれていて、
近い未来
として、心が痛くなる部分もありました。
私にとっては一番リアルに感じた世代のお話です。
〇第六話・節約家の人々(美帆)★★★★★
再び美帆目線のお話。
第一話の、その後の美帆が描かれています。
この最終話は温かった!
〇読了後に考えたこと
お金の使いかたには人が表れる。
本当にその通りだなぁと思います。
でも、自分ではなかなか気付けないこともあるし、変わることも難しい。
だからこそ、人との繋がりも大事なのかなと思いました。
人の数だけ考えがあって、知識や案があって、それを教えてもらえたり、ひとりじゃないって心強く思えたり、また道しるべにすることもできる。
「何かあった時」だけじゃなくて、ふとした瞬間に、気付かないうちに助けられてることもあるんやろうなって
そんなことを思えたお話たちでした。
お金の使いかたがテーマですが、全話通して人との繋がりが丁寧に描かれていたのも良かったです。
人生において、ふと立ち止まるのに必要な本。
そんな風に思います。
【個人的 五つ星評価】
自分の考えのなさが怖くなる度 MAX
幅広い世代が共感できる度 MAX
人との繋がりも考える度 MAX
三千円の使いかた (中公文庫 は74-1) [ 原田 ひ香 ] 価格:770円 |
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