はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【誉田哲也 アクセス あらすじ】
親友・尚美の自殺は自分のせい。
悲しみと罪悪感に押しつぶされそうな可奈子の携帯に、悪意に満ちた着信が続く。
「オマエが殺したんだ」
すべての始まりは、誰かを勧誘すると無料になるというプロバイダ「2mb.net」だった。
登録した高校生たちに次々襲いかかる殺人の連鎖。
仮想現実を支配する、得体のしれない「究極の悪意」を相手に、命を懸けた壮絶な戦いが始まった。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇また違った誉田哲也さん
誉田哲也さんと言えば、このブログでは今まで「姫川玲子シリーズ」について多くの記事を書いてきました。
本書はその「姫川玲子シリーズ」とは、ガラリと雰囲気が違います。
主な登場人物はみんな高校生。
そして、すべては彼女たちが「登録すればケイタイ料金がすべて無料になる」という謳い文句を信じ、疑うことなく次々と登録して行ってしまったことから始まりました。
登録して、次の誰かを勧誘すればすべて無料になる。
普通に考えればこんなうまい話があるわけないし、あったら怖いし、そんなことができたら携帯会社は潰れてしまう。やっぱりこんなことあり得ない。
ということはわかりそうなもんですが、高校生たちにとってはそんなことよりも「無料!」ということが何よりも大きかった。
ここがまず怖かったです。
現実世界でもいろんな誘惑があるし、高校生ともなればスマホを持っている子が大多数で、そんな誘惑は大人たちの目を簡単に飛び越してしまう。
まず相談するのは、親よりも友達になってしまう。
同じ年頃の子供を持つ母親としては、それは他人事ではない恐怖でした。
〇意外な展開
そういうリアルな怖さを感じていた私ですが、物語は意外な方向に転がっていきます。
ジャンルで言えばSF?ホラー?というのかな・・・
思っていたのとは全然別の方向に向かったので、ちょっとびっくりしました。
得体のしれない、現実世界では直接対峙することのないものが、極限の悪意を持って襲いかかってくる。
それはまさに命を懸けた戦いで、先ほどとはまた違った恐怖感がすごい。
途中、誉田哲也さんらしいグロい模写もありますし、SF?ホラー?感は続くんですが
それでも、ネットの世界の怖さ、身近に起こるかもしれない危険、それは決して他人事ではないということが現実世界とリンクしているように思いました。
主人公・加奈子が経験した「あるシーン」なんかは特に、誉田哲也さんは普段何気なくネットを見て、使っている私たちをそこに投影されているのかなと思ったりして
結果、ゾッとしてしまったんですけど・・・汗
でも何がびっくりって、本書が刊行されたのが今から20年近くも前だということです。(2023年現在)
作中にもガラケーとか着メロとか登場するので、その辺はすごく時代を感じるかも(私は懐かしいけど笑)。
今ほどネットが普及していなかったその時代に書かれたお話なのに、今こんな感想を持ちながら読めることに驚きます。
そして、
そう来ましたか!!
というラスト。
これはどう捉えたらいいのかな。
その後がどうなったのか、知りたいような知りたくないような・・・複雑な気持ちです。
【個人的 五つ星評価】
タダより高い物はない度 MAX
SF的な展開に驚く度 MAX
とにかく恐ろしい度 MAX
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