はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【芦沢央 いつかの人質 あらすじ】
愛子は幼い頃、誘拐事件に巻き込まれ失明してしまった。
そして12年後また、再び何者かに連れ去られてしまう。
一方、人気漫画家・江間礼遠は失踪した妻・優奈を必死に探していた。
その優奈は、かつての「愛子誘拐事件」の加害者の娘。
長い年月を経て起きた「被害者」と「加害者」の事件は無関係なのか、それとも・・・
【ネタバレなし 感想と考察】
〇やっぱり寝られなくなる芦沢央さん
幼い頃に誘拐された少女が、12年の時を経てまた誘拐された。
なんで??
誰に??
そして、当時の加害者の娘も同時期に行方不明に。
・・・なんで??
最初に誘拐されたときに3歳だった愛子は、その心身の後遺症を心配する両親のもとで12年を過ごし、15歳・中学生になっていました。
悲劇ともいえる人生二度目の誘拐が起こる前までは、同級生の友達とのやり取りも描かれていて
この年代特有の邪気のない悪意とか、子供らしい残酷さがリアルです。
元女子な私にとっては、なんかどこかがチクチク痛む感じがする。
この辺が、私が芦沢央さんを好きなところなんですよね~。
そして事件の始まりからはもう、緊迫感と疾走感がすごくて!読むのをやめられませんでした。
時間が足りない。
寝たくない。
芦沢央さんの作品を読んでいるとこんな気持ちになりがち。
「悪いものが、来ませんように」でもそうでしたが、今回もまた、気付いたら明け方でした。
やっぱりすごいわ。
〇直接突き刺さってくるのは
また、最初の誘拐の加害者の娘・優奈は25歳になり家庭を築いていたのですが、こちらも時を同じくして行方不明に。
愛子を案じる両親。
優奈を案じる夫。
この2つの家庭が描かれ、2つは次第に交差していきます。
どちらも普通ではいられない極限状態に陥っていくのですが
私は母親なので、夫よりもより両親の方に感情移入してしまいました。
「罪の余白」でもそうなんですが、芦沢央さんが書く親の思い・絆・溢れてくる幼い日の我が子の記憶等々・・・
私には突き刺さる。
今回もまた、心に刺さるというよりは、文字や文章が心をサクサク、ザクザク直接突き刺してくるような感じがしました。
〇タイトルの意味は
事件は意外な結末を迎えます。
誰に??
も、解明され
なんで??
の方は、特に予想ができなかったです。
そして、「なるほど」というか、「なんなんそれ」というか、なんとも言えない気持ちになる。
そして最後まで読み終えた瞬間、タイトルの意味がひとつではなかったことに気付いた時はもう・・・!!
呆然として、たぶん心ここにあらずみたいになってたような気がする。汗
上手すぎるでしょう、芦沢央さん!!
【個人的 五つ星評価】
設定に引き込まれる度 MAX
直接突き刺さってくる度 MAX
タイトルの意味に敬服度 MAX
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