ネタバレなし 宮部みゆき 火車

宮部みゆき

はじめまして、かがやくさくらです。

このブログでは

すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、

あらすじはできるだけ最小限に

感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。

完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪

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【宮部みゆき 火車 あらすじ】

遠縁の男性に頼まれ、行方不明になった彼の婚約者・彰子を捜すことになった休職中の刑事・本間俊介

徹底的に痕跡を残し自ら失踪した彰子

彼女ななぜ、そこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか。

彼女はいったい何者なのか。

本間はその捜索の中で、カード、クレジット社会の犠牲ともいうべき「自己破産者」の凄惨な人生を垣間見ることになるのだが・・・

【ネタバレなし 感想と考察】

〇宮部みゆきさんの描く「人間」

私はこのブログで、

宮部みゆきさんはどうしようもない悪意・どうしようもない人を容赦なく書く作家さん

だと何度も書いてきました。

ですが一方で、人の温かさも賢さも、理屈ではない人情もたくさん描いてくれる。

宮部みゆきさんの描く「人間」は、だからこそいろんな意味で魅力的。

本書では彰子の描き方に、それをより感じました。

彰子の執念ともいえるべき生き様と、それが故の哀しさに圧倒されてしまいます。

特にそれが一点に凝縮されたようなシーンがあるのですが、そこにいたってはもう戦慄。

そのひとシーンだけで、心をえぐってくるんです。

そしてそれを追う本間の原動力にも、人としての温かさを感じられたりして。

もちろん、全然好きになれない登場人物も出てきますが笑

「もっと別の人生だったら」「本来の彰子は」どんな女性だったんだろうと、思いを馳せてしまう。

宮部みゆきさんの「人間」を描くチカラ、ものすごいです!

〇カード、クレジット社会

本書のテーマともいえる、カード、クレジット社会。

そして自己破産の詳細等々・・・

知らなかったことがたくさんあって、とても勉強になりました。

でも。

自分は大丈夫

って、思うし、思ってるんですよね。みんな。

私もそうです。そう思ってました。

これは何に関しても言えることではあるけど、

絶対なんてないし、良くない方向へ転げ落ちることが決して別世界のことなんではなくて、地続きの世界であることを初めて考えさせられました。

そして、このカード、クレジット社会については、もっと若いうちから学ぶ場があってもいい気がするんですよね。

本書を教材として使ってほしいくらい。

〇ラストについて

本書のラストについては賛否があるようですが、私にとってこれ以上はないと思える最後なんですよね。

ここで終わるからこその、最高の読後感。

何度読んでも変わらずグイグイ引き込まれるし、ラストには鳥肌が立つ。

そんなお話です。

【個人的 五つ星評価】

宮部みゆきさんのチカラに圧倒される度 MAX

世の中を考える度           MAX

彰子を思う度・哀しい度        MAX

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