はじめまして、かがやくさくらです。
このブログでは
すでにその本を読んだ方はもちろん、まだその本を読んでいない方・読もうかどうか考え中の方などにも楽しんでいただきたいので、
あらすじはできるだけ最小限に、
感想においてはネタバレを避け、心が動いたポイントやおすすめの点などを上げていこうと思っています。
完全に私的な感想になると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです♪
【誉田哲也 あなたの本 概要】
父の書斎で見つけた『あなたの本』と題された奇妙な本。
そこには、自身の誕生から現在までが、寸分違わず記されていた。
このまま読み進めれば、未来がすべてわかってしまうのか・・・(表題作『あなたの本』)。
SF、ファンタジー、ユーモア、サスペンス等、全部で7編からなる短編集。
【ネタバレなし 感想と考察】
〇ブラックみ強め、多彩な短編集
今までこのブログで記事を書いてきた誉田哲也さん作品と言えば、『姫川玲子(ストロベリーナイト)シリーズ』。
本書は、そのイメージとはがらりと印象が違った短編集となっています。
内容はSF、ファンタジー、ユーモア、サスペンスととても多彩。
全体的にブラックなお話が多いですが、どこか星新一さんを思い出させる雰囲気もありました。
ということで今回は、ひとつひとつの短編について個人的五つ星評価と共に書いていきますね。
〇帰省 ★★★★☆
幹子はある日の未明、元恋人と揉めてしまい、気付けば自宅の玄関で寝てしまっていました。
その日は姉と帰省予定だったため、ふたりで予定通り新幹線に乗り込むのですが・・・
あれから元恋人はどうなってしまったのか。
幹子はそれが気になって動揺がおさまらないまま。
その答えとラストは衝撃で、一気に本書に引き込まれました。
〇贖罪の地 ★★★☆☆
このお話は、何か書くとネタバレになりそうで怖い・・・
私の語彙力が乏しいからか、とっても説明が難しいです。
しかも、きちんと意味が理解できているのかも微妙で自信がない。汗
読了した方々の感想を聞かせてほしいなと思うお話でした。
〇天使のレシート ★★★★★
高校受験を控えた芳照は、自身を「天使」だと名乗る女の子と出会います。
束の間、ふたりきりの時間を過ごしたふたりですが、実はとんでもない運命が待ち受けていました。
最後には、思わず
え”ぇぇぇぇ・・・
と声が出てしまう・・・
〇あなたの本 ★★★★★
表題作。
父の書斎で見つけた『あなたの本』と題された奇妙な本には、自身の誕生から現在までが、寸分違わず記されていました。
このまま読み進めれば、未来がすべてわかってしまうのかもしれない・・・
でも・・・
この、主人公の葛藤には引き込まれると同時に、自分ならどうするか、考えずにはいられませんでした。
こんなん・・・しんどすぎますよ・・・
読んでおいた方がいいこと
読まずにいた方がいいこと
そんなん、事前にはわからないですし、でも手元に『あなたの本』がある限り、それをないことにはできないと思うんです。
究極、もう燃やすんが一番いいんちゃうん・・・(やけくそ)
とか思ったりもして。
主人公が何をどう選んでどうなったのかは、必見です。
〇見守ることしかできなくて ★★★★☆
妹のせいで、行きたくもないスケート教室に通うことになってしまった少年は、そこで将来有望なスケーターである少女と出会います。
ふたりの出会いとやり取りが可愛くて、とても微笑ましかった。
胸が温かくなるお話です。
〇最後の街 ★★★☆☆
「最後の街」を越えたところにあると言われている、「この世の果て」。
そこに向かった者は、誰一人戻って来られない。
それでもその地を目指す主人公。
このお話は、乾いたような文章が印象的でした。
ラストにはなんとも言えない読後感が残ります。
〇交番勤務の宇宙人 ★★★★★
地球の交番に配属された宇宙人のお話。
ところどころクスっと笑ってしまう、とても面白い作品でした。
読んでいるとどうしても、缶コーヒー「BOSS」のCMを思い出してしまいます。
これ、長編で読みたい・・・!
ラストに本を閉じる時、このお話が最後で良かったなと思いました。
【個人的 五つ星評価】
お話の多彩度 MAX
姫川玲子シリーズとのギャップ度 MAX
表題作に揺さぶられる度 MAX
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